[レポート] ニュー・フィールドワーク京都編 #7 2024.09.29
リサーチ14日目。16:30、現在曇り。秋風が吹いているが、湿気と暑さもまだ残る。今日の川の水は今までで一番多いように思う。平安神宮の鳥居をくぐる頃、岡崎公園の方から重低音の音楽が鳴り響いていることに気がついた。何かイベントをしてるみたい。人多し。屋台あり。
今日はダンサーの中根千枝さんとともに観察。中根さんが私と合流する前に、すでに白い鳩を見かけたらしい。その白い鳩が居た場所に案内してもらうと「白居はとを」だった。
https://gyazo.com/d09ea266c59ddb469f1c8fdf7a510bd8
白居はとを 何かを啄んでいる
今日は、これまでリサーチして分かったような気になっているものを、改めてじっくりと眺めたりまとめたりした。
下の写真は、鳩たちが巣材として集めている小枝。スタバのテラス席あたりの木々の根もとで拾える。手にもってみると、思った以上に細くて軽い。このくらいの軽さだったら、嘴にくわえて飛ぶことができるらしい。
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手にとってみると様々な実感が湧く
17:00を過ぎた頃、日がおちはじめ、鳩がロームシアター京都からだんだんといなくなる。京都市美術館 別館の建物外壁をみてまわっていると、窪みに鳩が点在しているのを発見。寝床にしているようだ。身を隠すことができたり風を避けられるような隙間に点々といる。この日見つけたのは2箇所。大体7、8羽ほどいた。近くには雀の寝床のような所もあった。鳩たちは静かに身を潜め、雀たちは忙しくさえずりあっていた。岡崎公園の方からレゲエミュージックが聴こえる。
https://youtu.be/48I77zx3lCI
「京都市美術館 別館」で見つけた鳩たちの寝床と雀たちの声 レゲエミュージック
恒例となっている「蔦屋書店東側入口の巣」の状態も確認した。この日は周囲に親鳥がいなかった。脚立に登っても生き物の気配が感じられない。そして…あれ、卵がない…。なんと巣はもぬけの殻になっていた。巣は崩壊しており、まるで廃屋状態になっていた。9月10日に親鳩が抱卵している様子を確認しているので、この時点ではまだ卵があったと思われるが、その後一体ここで何があったのか。
https://gyazo.com/6e0bbb266d1b0835a152884bc86ae5ea
https://gyazo.com/9d429bba89e4e9d3f8dffe7c29a22c2f
上)8月に蔦屋書店の方に共有していただいたもの
下)9月29日時点の状態
2024.09.30
リサーチ15日目。この日は、新長田から東山まで約2時間かけて電車で移動。新長田駅前広場の鳩は何羽も地べたに羽をおろし、足をたたみ、近くに人がいても身構えることなく寛いでいた。途中山科駅乗り換え時に、オムライスのおにぎりとからあげ棒とルイボスティーを買う。
15:00過ぎにロームシアター京都着。岡崎公園野球場周りのベンチに座っている男性が、親しげに鳩と話していた(ように見えた)。中には、男性の肩に乗りそうなくらい近づいている鳩もいた。鳩に餌をあげている人をこれまで何度か見かけたが、鳩とこのような近さで接する人を今回見かけたのははじめてだった。
余談だが、鳩を観察していると、その人と鳩たちそれぞれの関係性が自然と見えてくる時がある。定期的に餌を撒きにくる人もいれば(鳩たちから認知されている人も)、たまたま通りがかって気まぐれにオヤツをあげる人。鳩をみればとにかく蹴散らす人。話しかけたり触ろうとする人。鳩が怖い人。そして、無関心な人。鳩に無関心な人は、意外と鳩との距離が近かったりもする。私のように興味深々で鳩を見ているような人は、鳩が警戒するので距離はいつも遠い。
18:00、蔦屋書店東側入口付近に留まる鳩が1羽。昨日も書店入口にいた鳩だろうか。つい先日まで巣を守っていた鳩でもあるような気がする。抱卵している様子はない。が、灰ニ引柄の鳩のため見分けがつかない。
https://youtu.be/Zo-St-A0x9w
蔦屋書店入口上でたたずむ鳩。どこからかONE OK ROCKの曲が流れている。
この鳩にあの巣で何があったのか聞きたいが聞けない。はがゆい。
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