[レポート] ニュー・フィールドワーク京都編 #6 2024.09.05
リサーチ12日目。この日はリサーチを予定していたのにも関わらず、提出物を提出できていないため、急遽自宅作業に予定を変更した。さらに予定変更したことを伝え漏れてしまい、風太さんのみロームシアター京都に集合してしまい(本当にすみませんでした…)、この日は風太さんとLINE越しにリサーチを行った。蔦屋書店東側入口の巣をみにいったら、この日も蔦屋書店の方とお会いできたらしく、ここで生まれ育った若鳩はもう巣には出入りしていないことを聞いた。若鳩が巣から飛び立てるようになってから約2~3週間で、本格的に「巣立ち」を迎えたようだ。私たちはいくつか若鳩の特徴を捉えてはいたが、他の鳩たちと混じれば、すぐに見分けがつかなくなることは容易に想像できた。灰ニ引柄だし。少し切ない気分になる。
2024.09.10
リサーチ13日目。雨。珍しく車で向かう。高速道路で大雨にみまわれる。ロームシアター京都に着いた頃には小雨になる。人も鳩も濡れた様子で雨宿りしている。
蔦屋書店東側入口の巣では、1羽の鳩が抱卵していた。私は巣の3Dモデリングデータの取得に再チャレンジしたく、脚立に登って巣にスマホをむけたが、もちろん鳩はどいてくれる気はさらさらなさそうだった。
https://gyazo.com/843137d4d7fff46673d3a1214fb4fcd9
https://gyazo.com/c5e7108adbf5c45413eb61b376840540
中庭に移動すると、木の根元で数羽の鳩や雀がしきりに何か啄んでいた。近寄ってみてみると、砂の中に「生米」が混じっていた。昨年の神戸リサーチの時もそうだったが、日本の鳩は(他の国でもか?)時々「生米」を恵んでくれる人が現れるようだ。
映像
https://youtu.be/3inKXFSIpiY?si=fmq-eGLwKhU-OLXc
今日はともにリサーチしてくれている人たち数名と、「鳩における京都らしさとはなにか」について考察しあった。以下、話した内容。
・関西は関東に比べて白い鳩が多いらしい。京都市動物園の動物図書館にあった本『カラスがハトを黒くする?』(著者:柘植達雄、発行:情報センター出版局)によると、「カラスに狙われやすいのは、追跡して見失いにくい白っぽいハトであり、カラスに襲われているうちに白の系統のハトは次第に少なくなった」とのこと。この本では大阪と東京の土鳩を比較し、東京の方が黒い鳩が多いという結果が記されている。
・昨年の神戸市新長田駅前でリサーチしていた時に比べて、ロームシアター京都周辺の鳩は足指を欠損しているものが少ないように感じる。京都には、寺や神社が多く殺生を嫌う信仰が通底しているからか、鳩避け対策があまりなされてないのではないか。また、電車が地下にあることも関係していそう。
話が派生し、「都会の鳩は雑食だからゴミなども食している。当たり前だが、食べ物で身体は変わるだろう。」ということや、「鳩にはそれぞれ6〜7箇所くらい自分の居場所があるらしい。」「番にならないと巣をつくらない。番になると自分達の場所をつくりだす。独身は寝る場所もあまり決まってない。」などにも展開した。
その場にいた全員に共通していたのは、「大阪や東京に比べると、ロームシアター京都周辺に住まう鳩は健康的で毛色がいい。平均的に身体も大きい気がする。観光客も多く、餌にありつける確率が高いのではないか。」という意見だった。データもなく感覚的な話だったが、ここに集ったみんなが感じたということが非常に興味深い。
話ながらも何度か巣の様子を伺ったが、ついぞどいてはくれなかった。巣の3Dモデリングデータをとるのを諦め、この日は帰路についた。
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