[エッセイ]LOVELY mini
田植えをお手伝いするぞ!
と意気込んで集まったわたしたちは、LOVELY miniのすばらしい仕事っぷりに感嘆の息をもらしていた。
運転のためのガイドがぴょこぴょこと触覚のように飛び出ている。苗を載せた部分が左右に動き、
くるくる回るアームが数本むしってはまっすぐ均等に植えていく。
小回りの利きっぷりは驚異。
そんなLOVELY miniが一往復したところで止まった。
溶接している部分に不具合があったようだ。
LOVELY miniが復帰するまで、わたしたちが手で苗を植えることになった。
LOVELY miniが残したエリアは、わたしたちが横に並ぶとぴったりカバーできるぐらいの幅で、
やいのやいの言いながら植えた。ひとり片道三列。
素人たちが植えた苗はぐねぐねと曲がり、途中で隣の列と合流したりして、なんともフリーハンドだった。
ちょうどわたしたちが仕事を終えたころ、LOVELY miniは修理が終わり、復活した。
おそらく、LOVELY miniは、
みなぎるやる気を持て余しながらぼーっと立ちつくすだけの見学者になりそうだったわたしたちに、
仕事を分けてくれたのだ。
なんて粋なのだろう。Lovely。
※LOVELY miniは田植機の機種名。
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2022/6/7
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