[インタビュー] rhizome / vita
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今回のリサーチでは、「rhizome」をオーガナイズするvita にインタビューを実施した。本来では写真アーカイブとして、主催者へ使い捨てカメラを渡し、パーティの美学を収めてもらう予定だったが、主催者はタイムキープや、フロアの状況確認や、DJやらゲスト対応、さらには酔っぱらうので忙しい。そんなことですっかり写真を忘れてしまってたらしく、今回はテキストのみでの紹介となる。ただ、本インタビューは詩的なテクノロジーとしての気配が漂っている気がする。では、お楽しみください。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
・どのようなパーティをされていますか?
rhizomeという名のパーティをMiono っていう子とふたりで共催で行ってます。ハイパーポップ以降の身体性みたいなものをテーマとし、2023年の6月に1回目をはじめました。
・割と最近なんですね。その以前はどういう活動を?
elevstudio®︎ という古着を売ったり、イベントしたりするコレクティブみたいな活動をしてたんですが、今年に入る前に一旦解散ってなって。 ・なんで解散になったの?
まあ一つは最初始めた時はみんな学生の集まりで、その遊びの延長で。それこそいろんなスキルを持った子たちがストリートで集まってでその中にDJパーティーっていうものも一つ組み込まれてたんですけど。みんながちょっとずつ年齢重ねていくうちに、まあ、それこそそれぞれのDJだったらDJの方向性だったりとか。それぞれがまあ就職したり、他県に引っ越したりなどで。
・何人ぐらいいたの?
結構多かったですね。最大で18人ぐらいかな。お寺で古着売ったり。それが終わって、新しくなにかやるぞってときにrhizomeをはじめたんです。
・パーティの特徴とかあります?
クロスカルチャーってことは結構考えていて、そのやっぱりダンスフロアってまあ長時間滞在すると絶対疲れてくるんで。まあ、どんだけDJが上手くても、その個々のまあメンタルだったりとか体力的なものだったりとか、絶対疲れてきたりするんで。まあ、そういったところで、みんなが談笑するスペースであったりとか、ポップアップっていう空間はあえて入れているっていう感じですね。
・そもそもクラブカルチャーに接し始めたきっかけは?
それはめちゃくちゃ前ですね。18歳のときとか。もともと大阪出身で。その時は服好きの友達とか、ダンサーとかヒップホップみたいな感じの友達がちょくちょくいて、大阪のクラブに遊びに行ってました。CIRCUSの近くにあったところなんですけど、名前わすれました。
あるいはバンドも聞いてたので、バンド友達とかのイベント遊びに行ったりとか。あとは東京に一時期、関東に住んでたんですけど、その時に友達とレコード探しにいったり、まあ展示会見に行ったり。
・自分でプレイし始めたのはいつぐらい?
DJは本当、最近デビューした感じで。オーガナイザーっていう立ち位置でずっと関わってきてたんです。どっちかというと、企画面だったり、グラフィックデザインとか。
・そうなんだ、じゃあ今回のフライヤーも。
フライヤーのグラフィックというか、紙物とか2Dのものは自分でやってて、3Dのものは僕がディレクションして別の人にやってもらって。
・なんでオーガナイザーメインだったの?
パーティーを何回もやって思ったのは、オーガナイザーとしての集客であったりと、そのパーティーシグネチャーをプロデュースするのって、やっぱ難しくて。でもアーティストの目線からもう見れるようになれたらいいよねっていうことでDJやりたいなと思ってて、こないだ名古屋でそれこそ誘ってくれた人がいて。
・パーティで大事にしていることはありますか?美学のような。
たぶんめっちゃあるんですけど、言語が難しいですねパーティーに来てくださいみたいな感じではあるんですけど笑
・では質問を変えて、いいパーティってなんだとおもいますか?
思い出ですかね笑。
・いいね、思い出ね。rhizomeはOctaveでの開催だけどきっかけはあるの?
ぼくが仕事さがしてるときに、MionoがOctaveで働いてて、そこで同僚になったんです。その後、オーナーにイベントやんないの?って言われ続けて、最初はもうちょっとという感じだったですが、いよいよやろうかみたいな感じで。
・なるほど、ブッキングのこだわりとかありますか?
例えば自分のパーティーじゃなくても、この内容だったら他のイベントに遊びに行けるよねみたいな。そういうところをあえて自分がやんなくてもいいなっていうのを思ってて。まあバイブスだったりとか。まあ、そういうところからですね。
・どこでDJやアーティストを見つけるの?
結構、現場足運び型なんで、やっぱ現場で一回見ることが多いですね。その日、ちょっと海外行かなきゃいけなくて出れなくなったとかで、どうしてもそのポジションのDJが他に思い浮かばない時とかは、その他で紹介してもらったりします。
・基本は足だと。
そうすっね。多分逆にオーガナイズやってなかったら、めちゃくちゃパーティー行くのが好きな人間だと思うんで。
・オーガナイズやりはじめてから、何か意識に変化ありましたか?
意識はちょっと変わりましたね。なんかよりDJとかライブとかの構成だったり、タイムテーブルだったり。流れを読むようになりました。
・最近でよかったパーティありますか?
神戸のAquariumとかですね。僕の後輩2人の女の子が主催しているパーティーなんですけど。
・神戸いいなぁ、でも神戸だと次の日とか考えちゃうからな、、
わかりますね。でもそれこそ名古屋の薬膳バーの入山さんっていう有名な方が一緒に遊びに来られてて、僕よりも全然年上の方じゃないですか?で、入山さんが48時間、僕らと同じ行動をとってて、負けられないじゃないですか笑
・素晴らしいです。京都・大阪とかはどうですか?
めっちゃありますね。後輩のイベントで、大阪のFieldってイベントめっちゃ来にしてるし、京都だったら次に始まるDENENっていうイベントとか。京大にいるツイっていう男の子が主催していて。
・いいですね、ちょっと話題を変えて、SNSの向き合い方ってどうですか?
僕らの活用の仕方は告知は順番含めて考えているんですよ。あとはお客さんと双方向性のやりとりなど、分析は軽くいろいろしてますね。
・SNSのリールにパーティの情報があふれる感じがあると思うんだけど、それについてはどう?
たぶん、それは功罪があって、パッケージが完結してしまうってのはあると思います。それこそ情報が多いから混同しちゃうこともあると思いますし。それが現代的だし、そういうもんだな、とは捉えていますが。
・パーティに何を期待して来るんだろうね。
そうですね、それこそぼくらは、パーティアーカイブを一応撮っているんですけど、アーカイブの見せ方とかはこだわってて、今ほとんど僕のパーティーってアーカイブ見れないんですよ。
・なるほど。面白い。
あえて、そういう風にしててアーカイブにどうデザインするかを考えていて。シンプルにパーティのアーカイブってお客さん個々に無数の体験があるじゃないですか。1回性だし。再現性ないし。僕らが持っている身体性っていうのはやっぱりパーティに足を運ぶことだったり、フィジカルなものだったりするので、僕らもパーティアーカイブをフィジカルで作りたいという話になってて。
・たとえばどういう方法?
めっちゃ分かりやすく言うと、全くネットに載ってないアーカイブを作ることで、最終的にまあ何かこうメディアにアウトプットして、それはフィジカルな場とか、限定的な機会でしかそれを体験することができないみたいな。
・自分が影響を受けたパーティ、イベント、箱とかはありますか?
めっちゃ影響を受けたアーティストいっぱいいるんですけど、誰だろうな。パーティーに関して言えば、West Harlem。ちょっと前まで別のところでWest Harlemやってたじゃないですか。シエスタの方で。nTankっていうDJが主催しているMAVEっていうパーティーがあるんですけど、僕、結構そのMAVEに喰らったすね。東京のパーティーとかも行ってたんですけど、なんかMAVEのバランス感覚みたいなのがすごい喰らって。今めっちゃnasthugとかバーンって来てるじゃないですか。JUMADIBAとかも。nasthugとかJUMADIBAが一緒のフロアにいたんですよ。2、3年前とか。あとはPeterparker69、twoshellとか。ちゃんと掘っているし、形にしているけど、アンダーグラウンドというバランス感覚がめっちゃ好きで。
・あの時期、WEST Haremはとても気合はいってたね。いろんな人のインタビューでも世代を超えて話されるので、時代を振り返ると結構エポックなタイミングだったのかもしれないね。ちなみに箱以外でも何かやりたい気持ちとかはあるの?
ありますね。ぼくらパーティの名前のrhizomeはドゥルーズ・ガタリの千のプラトーから引用していて、クラブっていう環境ってすごいツリー構造で資本主義の権化のように感じるときがあって。そこから視点ずらしたりとかなんか。フラットにもっとなにか入れるレイブとか。クラブカルチャークラブパーティーっていうものに対して、一旦自分たちが全部キャンセルしてみようみたいな動きでフライヤーとかも作ったんですけど、全部文字化けさせて全部読めなかったりとか、なんかグルーヴとかフロアとか、そういったものも全部キャンセルしてやりたいんですよね。
・いいですね、野心的だね。そこで完全に脱ぎ切るのは難しいんだろうけどね。街の中ではどうでしょう?
そうですね、京都は景観条例とかもめちゃくちゃ厳しいので。美術とかやってた時はやっぱりなんかこう撮影とかロケしたいって言っても、やっぱ全部申請とか出さなきゃいけないですからなるほど、本当はそうだけど、それをみんなまあグレーでやってないみたいな。
僕の分析なんですけど、コロナ明けてやっぱみんな発散したい欲があって、一時期そのDJがめちゃくちゃ増えて、クラブカルチャークラブパーティーめっちゃ盛り上がったんですけど、次はそのクラブパーティーが飽和してて。そこから逸脱したいっていう動きが表れてて、それがまあ一つなんかレイブっていう形で表れているなっていうふうに思ってて。まあ、それはその90年代のそのシェフィールドとか、イギリスとかドイツとかのレイブのカルチャーとはまた全然違う形なんですけど。
・なるほど。
それこそ先々月ぐらい今、町家レイヴっていうのをやってて。友達の別荘じゃないんですけど、本当に使ってない家みたいなところで、本当に十畳ぐらいしか入らないスペース使って、絵画の展示や、DJとフロアの間になんか透明のスクリーン貼って誰が回しているかわかんないみたいな状態で。
・おもしろそう、それってなんかアーカイブありますか?
いやリンク全くないです。全くアーカイブしてなくて。
・ないんだ笑。見たいなぁ。
ただ、まあ写真アーカイブはあるんですけど、東京のDJとか絡んでやってたりとか。
・へぇ、それはどういう経緯で?
僕がそのrhizomeで東京のDJをこっちにブッキングするってなったんですけど、予算が足りなくてでその予算足りないけど、出演OKしてもらったんですよ。ただその代わり、その間、滞在する期間に何個かイベントを打って、僕らも収益ちょっとプラスして帰りたいと。
・なるほどなるほど。
それで活動して、関西でちょっと売れるならいいかなみたいないうと思惑もあって。
・そういうところいいよね。やっぱ予算がない中でどうみんながハッピーになれる状態で作るか、それオーガナイザー本当に大事だもんね。
そうですね。
・面白い、じゃあそろそろ最後に、今後の取組などもあればぜひ。
一旦自分のそのrhizomeというパーティーを、今まだそのずっと育てているような状況なんで、それこそ実験的な取り組みはすごくしていきたいなっていう。そのクラブカルチャーなんかだけで完結してないよっていうことは、なんか常日頃みんなで意識して言っていることで、スクリーニングのイベントだったりとか。エキシビションだったり、それこそまあレイヴの再興だったりみたいなところをやりつつ、ちゃんとクラブのパーティーもかますみたいな。
・なるほど、ちなみに次回は決まってるんですか?
一応決まれば年内ぐらいに大阪でできるはずなんですけど、年内ちょっとまだその先方都合というか。僕らめっちゃやりたいなって言ってるのは、やっぱりエキシビションとかなんか。そのそういうのはすごいやりたいなって思ってて。
・協力できることがあれば、ぜんぜんしますので。
本当ですか!大きいことじゃなくてもいいので、ぜひ何か一緒にできれば。
・ぜひとも!本日はありがとうございました!
こちらこそ、ありがとうございました。
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