人を見たら感染者と思え
「人を見たら泥棒と思え」ということわざがある。広辞苑には「他人を軽々しく信用してはならないということのたとえ」とある。新型コロナの後は「人を見たら感染者と思え」に取って替わられるかもしれない。泥棒の場合の「人」は他人を意味するが、感染者の場合は自分も含む。したがって辞書の説明は「自分も含めて人間というものは信用できないということのたとえ」になろう。
ある知識人がテレビで新型コロナウイルス経験前と経験後でBCとACという時代区分をすることになるかもしれないと言っていた。西暦はbefore Christとその後で分けているが、before Coronaとその後after Coronaで分ける新しい時代区分ができる。それほどの人類史的事件であり大変動が起きると。
山道で人に出遭ったときには「こんにちは」または「Hallo!」と挨拶する習慣があったが、これも変わりつつある。下を向いてできるだけ距離を取り、よそよそしく沈黙したまますれ違うようになった。「人を見たら感染者と思え」を実践しているのである。