ページスピードとUXの両立がPMの役割
企画チームと開発チームのそれぞれの役割と期待値は、どうあるべきか?
役割は、各チームの専門性と、プロジェクトの具体的な目標に基づいて設定していく。各自、何が求められているかが分かれば、アクションに迷いがなくなる。
企画チーム
ユーザーエクスペリエンスの維持: ページの速度を向上させる一方、ユーザーエクスペリエンス(UX)を維持するバランスを取る役割を担う。速度向上のための変更がユーザーエクスペリエンスにどのような影響を与えるかを評価する。
KPIとの調和: ページ速度向上の取り組みが他の重要なパフォーマンス指標(KPI)と衝突しないように、戦略的な視点から調和を図る役割がある。
フィードバックと改善提案: ユーザーや他部署からのフィードバックを収集し、そのフィードバックを基にページスピード改善のための戦略を提案する。
開発チーム
テクニカルな改善: コードの最適化、リソースの最適化、キャッシュの改善など、技術的な視点からページ速度を向上させる役割。
パフォーマンス測定とモニタリング: ページのパフォーマンスを定期的に測定し、問題が発生した場合には早期に検知する。
実装とテスト: 企画チームからの提案やフィードバックをもとに、改善策を実装し、その結果をテストする。
ここでわかるのは、ユーザーページ速度と、UXのバランスを取る必要があるということ。たとえば、画像を消してしまえば、ページスピードは改善される。でも、ユーザーにわかりづらいサイトになってしまうことがあるように、ときに速度とUXはトレードオフになる。
ページスピードが満たされていればいいのか?
ページスピードの目標は、そのウェブサイトの種類、コンテンツ、利用者の期待、そしてそのウェブサイトを運営する組織のビジネス目標などによって大きく変わる。
2秒以内が適切なケース:
eコマースサイト:ユーザーは商品の閲覧や購入をスムーズに行いたいと考える。スピードが遅いとユーザーがサイトを離れる可能性が高い。このような場合、2秒以内というスピードは非常に重要だ。
ニュースサイトやブログ:情報を素早く取得することが重要なユーザーにとって、ページスピードが速いほどより良いユーザーエクスペリエンスを提供できる。
他の指標が適切なケース:
ヘビーコンテンツのウェブサイト:高品質の動画や3Dコンテンツなど、大きなデータ量を扱うウェブサイトでは、2秒以内というターゲットは現実的でないかもしれない。この場合、より現実的なページロード時間を設定したり、ユーザーがコンテンツを楽しむための「最初の有意義な描画」など、他のパフォーマンス指標を追求することが適切だ。
SaaSプロダクト:ユーザーが多機能かつ高度な操作を行うためのソフトウェアサービスの場合、全体的な操作のスムーズさや機能性が重視されることが多い。ユーザーは一部のレイテンシに対して寛容である可能性があり、その場合「応答時間」や「インタラクションの準備ができるまでの時間」など、他のパフォーマンス指標を設定することが適切かもしれない。
一般的には、ページロード時間はユーザーエクスペリエンスに大きな影響を与える。しかし、それだけが全てではなく、ユーザーの期待とビジネス目標を満たすための適切なパフォーマンス指標を設定することが重要だ。
ポータルサイトに関しては、特定のユーザーデモグラフィックを考慮に入れる必要がある。
利用者のテクノロジースキル: 一部の利用者(例えば高齢者)はテクノロジーに不慣れな可能性がある。そのため、使いやすさと視覚的な明瞭さを優先し、複雑な機能やデザインを避けることが望ましい。
アクセスするデバイス: ユーザーが主にモバイルデバイスからアクセスするか、デスクトップからアクセスするかにより、パフォーマンスの指標が変わる可能性がある。モバイルユーザーの場合、通常ページロード時間が長くなる。
コンテンツのタイプ: サイトがテキストベースの情報を提供するのか、画像やビデオを多用するのかにより、ページの読み込み時間は変わる。
これらの要素を考慮に入れると、ページスピードの指標を2秒以内に設定することは理想的かもしれないが、必ずしも必要ではないかもしれない。サイトの使いやすさや情報の明瞭性が優先されるべきだ。そのため、ページの「パーセプチャルスピード」(ユーザーがどれだけ速く感じるか)を改善することが重要になるかもしれない。これは「最初の有意義な描画」や「最初のコンテンツ描画」などの指標を改善することで達成できる。
関連