パトリオット
パトリオット
この映画は壮大なるプロパガンダか?
アメリカの独立戦争を描いた映画。アメリカ新大陸発見以来、イギリスとフランスは次々と領地を奪っていった。広大なアメリカ大陸だったが、遂に領地争いでイギリスとフランスが衝突する。これがフレンチ・インディアン戦争である。当時ヨーロッパでも英仏は7年戦争中だった。フランスはネイティブアメリカンと共闘をくみイギリスと戦った。1754年に開戦し57年まではフランス優勢だったが、英国本国の王政安定に伴い戦況は反転、イギリス優勢となった。イギリスは現カナダの領域まで制圧。1763年パリ条約でアメリカ全土はイギリスの領土となった。このときの英雄がこの映画の主人公。イギリスのために戦った戦士たちが待っていたのはさらなる重税だった。これに反発した大陸派と呼ばれる独立志向者たち。彼は止めようとするが投票でイギリスに対して独立戦争に向かう。1775年にレキシントン・コンコードの戦いで開戦。彼は家を焼かれ次男を失い、長男は絞首刑にされると言うときにキレる。三男、四男を伴い長男を奪還。20人のイギリス軍を倒す。1776年7月4日大陸派は一方的に独立を宣言する。彼の幼い子供たちは叔母の家に逃げていたが、それを知ったイギリス軍は家を焼き討ち、家族は命からがら黒人部落に逃げ込む。そこで彼は娘と出会うがこの子の演技力はなかなか。泣かせる。長男は結婚。一時の平和を味わうが、妻はイギリス軍により悲劇的な結末を迎える。長男は復讐に向かうが返り討ち。このとき戦況はイギリス軍に傾いていたが、12月トレントンで奇襲攻撃をかけ勝利する。敗勢になったイギリス軍は海からはフランス軍の攻勢にあい、1781年ヨークタウンにてイギリス軍全面降伏。彼は新しい妻を迎えて新しい家を造る・・・ここで映画は終結。アメリカ本土でこれほどまで激烈な戦闘が行われていたことを描いていた映画は見たことがない。銃に対して全く防ごうとしていない。人海戦術だ。見た印象は最近のアメリカ右翼主義を反映していると思われる。黒人奴隷は少し描かれているが、この後南北戦争が起こるようにアメリカの当時奴隷主義は存続している。またネイティブ・アメリカンは全く登場しない。フランスとネイティブ・アメリカンの共同戦線を破っていたので全くいないと言うことか?とにかくその土地はネイティブ・アメリカンのものだと言うこと。その視点が欠けている。監督はインデペンデンス・ディをとったドイツ人ローランド・エメリッヒ。そして、パッションのオーストラリア人メル・ギブソン。ほとんどアメリカ人が関与していないが、非常なある勢力の考え方を感じる。何たって題がパトリオット=愛国者だから・・・☆☆☆