Elizabeth
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ケイト・ブランシェット エリザベス一世を描いた歴史映画.衣装や背景,化粧や小道具までこだわった作り.反面ストーリーを詰め込みすぎでわかりにくくしているか?また時代背景がわからないと楽しめないかも?なので,ちょっと解説.イギリスは必ず「女帝」というわけではありません.現在のエリザベス女王も即位して長いのでそんな感じがするかも.エリザベスの父はヘンリー八世.6人の妻がいる王様として有名.当時はキリスト教といえばカトリック.厳粛に教義を守っているイメージ.カトリックは再婚を認めない.そこで彼はプロテスタントに改宗.次々と妻をめとる.彼だけでなく国王を頂点とする英国国教会を設立.ローマ法王との決別を宣言した.ヘンリ八世の最初の妻はカザリン.スペイン王女.彼女は兄の嫁.兄は他界していた.スペインとの同盟関係を強めるため,父が結婚させた.カソリックでは兄嫁との結婚は当然,御法度.子供は女の子一人.後にメアリ1世.男子を産めないカザリンに嫌気を指したヘンリ八世は離婚を決意.二人目の女アン=ブーリンと結婚しようとする.当然カソリックは離婚・再婚は認めない.ヘンリ八世は強行突破.結婚してしまう.ローマ法王はヘンリ八世を破門.返す刀で英国国教会の設立宣言.そうまでして結婚したアン=ブーリンだが,やはり女の子しか生まない.これが後にエリザベス一世.またまた離婚を決意.ホントかどうかわからないが,不貞の罪でアン=ブーリンをロンドン塔に幽閉.首をはねられ処刑.処刑の10日後,3人目の妻ジェイン=シーモアを娶る.もうローマ法王なんて関係ないぜ.彼女は待望の男子を出産.これがのちの「エドワード6世」.しかしアン=ブーリンのたたりか,出産の12日後にジェイン=シーモアは急死.4人目はアン=オブ=グレーヴス.ドイツから嫁いできたがわずか6ヶ月で離婚.彼女には何か欠陥があったのか?5人目はキャサリン=ハワード19歳.ヘンリ八世49歳.彼女は不貞を繰り返し,ロンドン塔で処刑.今もロンドン塔にはキャサリンの亡霊が出るという.最後6人目はキャサリン=パー.ヘンリー八世の死を看取る.エドワード6世が9歳で即位.彼は「王子と乞食」のモデルとされる.若年の王に変わり当初エドワード・シーモア,次にジョン・ダッドレーが摂政をとる.しかしエドワード6世は病弱で,(←これも実は怪しい)床に伏してしまった.ジョン・ダッドレーはヘンリー7世の血を引くジェーン・グレイと自分の息子ギルフォードを結婚させ,さらにじゃまなエドワード・シーモアを謀略により反逆罪で処刑.カザリンの娘メアリが敬虔なカソリックであったため,熱心なプロテスタントだった病床の王を説得し,「ジェーン・グレイを次期女王とする」問いう勅令を発効させる.エドワード六世16歳で死去.ジェーン・グレイ女王即位を宣言.すぐにメアリを反逆罪で討伐に向かうが,トーマス・ハワードの庇護化にあり,失敗.逆に征伐されてしまう.メアリ1世,女王即位宣言.ジェーン・グレイの謝罪を受け入れ,処刑は免れた.夫ギルフォード共にロンドン塔に幽閉.メアリはスペイン皇太子フィリッペと結婚.その条件がプロテスタント粛正の象徴となるジェーンの処刑.ジェーン・グレイは夫と共に斬首された.しかしフィリッペはすぐにスペインに帰国.ほとんど結婚生活をしていない.しかもフランスースペイン戦争に巻き込まれ,敗戦.キャサリン=パーはヘンリー八世の死後3ヶ月でなんとトーマス・シーモアと再婚.トーマスは3番目の妻ジェーンの兄.キャサリンはエリザベスを引き取る.映画はここから始まる.メアリは徹底してプロテスタントの粛正を行った.数千人の信者を火あぶりの刑などにして処刑.トーマス・シーモアは反逆罪で処刑.エリザベスもロンドン塔に一時幽閉される.しかしメアリも即位後病魔におそわれる.床に伏すメアリにプロテスタントである「エリザベス処刑を」と促すトーマス・ハワード.しかしメアリは出来ない.逆にロンドン塔から釈放した.エリザベスはジョン・ダッドレーの息子ロバート・ダッドレーと恋仲に.ついにメアリ崩御.エリザベスが女王になったことをつげに城に向かうトーマス・ハワード.エリザベス一世の誕生である.25歳.すぐに英国国教会統一法制定.これによりプロテスタントの英国国教会が確定した.しかし彼女はメアリと違って粛正は行わなかった.さらにイギリスは軍は崩壊寸前.予算も底をついていると知らされる.これには友好国との結婚しかないと聞かされ,次々と候補が現れる.その中にはなんとメアリの前夫フィリッペスペイン国王もいた.またフランス王子も…彼女はそれを逆手にとって,諸外国からの援助を取り付ける.誰とも結婚せずに…そのころ,スコットランド女王のメアリ・スチュワートが反乱にあい,英国に逃げ込んできた.が,反乱軍がプロテスタントであったため,エリザベスはなんと現スコットランド女王であるメアリをロンドン塔(またまた出ました.怨念の塔)に幽閉.目に余る振る舞いがバチカンまで届く.ローマ法王はエリザベス殺害を指示.それはトーマス・ハワードにメアリ・スチュワートと結婚し王位を奪還せよというものだった.その計画を事前に知ったエリザベスは,証拠を掴むため,トーマスが実際に結婚に署名するまで泳がした.そしてついにトーマスは結婚証明書に署名.動かぬ証拠となってトーマスは斬首,さらし首の刑.というところで,終幕.その後,メアリ・スチュワートは何度が反乱を企てたが,成功せず.ついにメアリも処刑.まぁ,話したらきりがないですがこんなところでしょうか?☆☆☆☆☆