#0 対象/方法/姿勢|nozakimugai
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クラブのフロアーでDJ のプレイするビートを聴きながら身体を揺らすとき、ヘッドフォンでお気に入りの音楽を聴きながら歩くとき、街中で聞き覚えのあるメロディに気づいて立ち止まるとき。わたしが考えたいのは、こういうときにリズムがどう伝わり、わたしたちがそれにどう「ノる」のか、そしてわたしたちをノらせる「グルーヴ」がどのように湧き上がっているのか、という「プロセス」についての話だ。
それはつまり、わたしたちが音楽やリズムに出会うときに、どうやって身体を動かすのか、という問題でもある。リズムを経験するのはいつだって身体だ。もちろんリズムは、人間の身体の外でも大小さまざまなレベルで起こりまくっている現象だ——ドゥルーズやガタリは、宇宙全体が一つのリズム(リトルネロ)だとまで言っている。リズムは潜在的に、どこにでもある。でもそれが姿を明かすのは、わたしたちがそういうリズムを聴いたり、見たり、触れたりしてリズムに巻き込まれるときだ。だからリズムについて考えるなら、リズムに「ノる」こと、そしてわたしたちを「ノる」ことへと引き込む力、「グルーヴ」について考えなければならない。
具体的には、わたしたちが参照するのはこれらの研究だ:
哲学的なリズム論:クラーゲス、ソヴァネ、マルディネ、ドゥルーズ=ガタリ、山崎正和など。
音楽学的なリズム論:チャールズ・カイル、スティーブン・フェルドなど。
身体論:伊藤亜紗、山田陽一など。
神経生理学:白松(磯口)知世、大黒達也など。
フィールドワークやインタビュー:小川博司、わたし。