予測脳とは何か
#脳科学
#考え事
我々は予測の中で生きている
思い込み
知覚
我々はバーチャルリアリティーの世界を生きている
喪失の哀しみ
予測を修正する前帯状皮質の役割
前帯状皮質は心の痛みにも関わっている
トップダウン信号とボトムアップ信号
ボトムアップ信号を振り分ける視床の役割
自閉症は予測のアップデートが苦手?予測脳仮説
カクテルパーティー効果
ASDの感覚統合
予測の形成が弱い(予測の信頼度が低い)
自閉症の人は、過去の経験や文脈に基づいて予測をうまく形成できない場合があります。その結果、感覚入力が常に「新しいもの」として処理され、過剰な注意や感覚過敏が引き起こされる可能性があります。
予測誤差への過敏性(誤差の過大評価)
自閉症では、予測と感覚入力のズレ(予測誤差)を過剰に重視するため、通常であれば無視できる小さなズレにも反応してしまうことがあります。これが感覚処理の困難や過剰な不快感に繋がると考えられます。
予測誤差の調整が困難
感覚入力と予測を統合して誤差を最小化する能力が低いため、感覚の一貫性や統一感が失われ、感覚統合の困難さに繋がると考えられます。
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したがって、「予測符号化」を明確に誰が最初に言い出したのかは議論の余地がありますが、その根本的なアイデアの起源はヘルムホルツに遡り、現代的な形で体系化したのはカール・フリストンと見ることができます。
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私たちは、日常生活の中で無意識に「予測」を行いながら行動しています。時速100kmを超える速球を投げるピッチャーの投球を予測してバットを振ったり 、混雑した場所で人とぶつからないように動きを予測したりするのもその一例です。
「思い込み」は、過去の経験や知識、あるいは周囲からの情報によって形成され、私たちの知覚に影響を与えます。脳は、五感から得られた情報だけでなく、過去の経験や知識に基づいて情報を解釈し、現実を構築しています 。  
この「思い込み」と「知覚」の関係性を示す興味深い例として、「Terror Subterra」と呼ばれる錯視図があります 。この錯視図では、物理的には同じ大きさの2体のモンスターが、奥にいるモンスターの方が大きく見えるように描かれています。
脳科学の知見から見ると、「我々はバーチャルリアリティーの世界を生きている」と言えるかもしれません。脳は、五感から入力された情報をそのまま受け取るのではなく、過去の経験や知識に基づいて情報を再構築し、私たちが経験する現実を構築しています 。
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自閉症:予測のアップデートが苦手?
自閉スペクトラム症(ASD)は、社会性やコミュニケーション、興味や行動に偏りがある発達障害です。
近年、ASDと「予測脳仮説」との関連性が注目されています。予測脳仮説では、ASDの人は、脳内で予測を生成したり、予測誤差を修正したりすることが苦手であるとされています 。  
例えば、ASDの人は、突発的な音や光を苦手と感じることが多いとされています 。これは、予測できない感覚刺激に対して、過剰に反応してしまうためと考えられています。  
また、ASDの人は、社会的な状況を理解することが苦手とされています 。これは、相手の意図や行動を予測することが難しいためと考えられています。  
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