2021/8/26社会に足跡を残す
大学時代の恩師である福永哲夫先生が自らの研究人生を振り返った寄稿が学会誌に掲載された。
https://gyazo.com/9bf9c99d8d7a4806ecd26c41f4db43f1
私は大学院まで進んだものの、道半ばでその場所から逃げ出してしまったが、
今振り返ればそれも大切な人生の経験の一つだった。
血の気が多い学生だった私を懐の深さで受け止めてくれた恩師。
免許皆伝とはならなかったが、たくさんの刺激を受け、自分のバックグラウンドを広げてくれたのは間違いない。
武士道の秘本「葉隠れ」に「大雨の戒」がある。外出途中でにわか雨に会い、濡れまいと道を急ぎ走り、軒下などを通ってみたところで、濡れる事に変わりはない。最初から濡れるものと心に決めてかかれば、濡れても平静でいられる。その後の私の人生でも「大雨の戒」に従う場合が多い。
靴を履いて雨に濡れると、靴が濡れないようにと気にするが結局は濡れる。裸足であれば最初から濡れるものと心を決めて、水溜りですら気にせず通れるものである。
まさに、そんな感覚だ。
ある程度のリスクを背負って、その場に身を委ねて進む。
今の私にはこの話もスッと入ってくるようになった。
そして、何かを成し遂げる、成し遂げなくともそのキッカケを作るには
やはり”チームづくり”が大切だろう。
(上次さんの言葉を借りれば”運動体”とも表現できる)
自分に無いものは、他で補えばよい。
大自然の森のように多様性を持った集団。
多様性と階層構造。
チームが出来上がり、それを持続する。
ここ清里での私の活動はまだ始まったばかりだが、
恩師の言葉に触れて、自分の方向性と現在地を俯瞰することができた。
人生の晩年にいつかこんな振り返りができるよう、歩みを進めたい。