豊川信用金庫事件
1973年(昭和48年)12月、愛知県宝飯郡小坂井町(現・豊川市)を中心に「豊川信用金庫が倒産する」という噂(デマ)が流れたことから取り付け騒ぎが発生し、短期間に約20億円もの預貯金が引き出された事件。警察が信用毀損業務妨害の疑いで捜査を行った結果、女子高生3人の雑談をきっかけとした自然発生的な流言が原因であり、犯罪性がないことが判明した。デマがパニックを引き起こすまでの詳細な過程が解明された珍しい事例であるため、心理学や社会学の教材として取り上げられることがある。 狭い地域社会の中で、「交差ネットワークによる二度聞き効果」(別々の人から同じ情報を聞くことで、それに信憑性があるものと思い込んでしまう現象)が発生した。このような結果、事態は大きく悪化することになった。