大切な人
自分が守りたいと思うべき「大切な人なんかいない」場合、この言葉は正直気持ち悪い。
今回の騒動にしたって、世間も政府も世の中のすべてが単身者にちっとも優しくない。
独り者が独りで死ぬのは仕方ないから、まぁそこはどうでもいいんだけど。
「あなたのそばにいる大切な人が感染するかも・・・・」とかいうけど、そんな人いない。
ぼくはけっこう「わかる」という立場で読んだ。
以前に受講したハラスメントの研修で「相手には大切な家族がいる」ってことをやたらと強調してくる資料があって、それを受け入れるのが難しくて「天涯孤独な人に対してもハラスメントしてはいけないので、理由付けとして不当だと思います」とフィードバックしことがあった。と思い出したりもした。
もちろん「大切なんちゃら」に一定の効力があることは理解している。「大切な人なんていないよ」って人に対してなにかを言っているわけではない。
ただ、元記事の筆者がいうように違和感を覚える人もいて、それくらいにはエクスクルーシブなメッセージになっていることは覚えておいた方がいいだろう。そういった排他が積み重なった結果、自暴自棄になって凶行を選んでしまう人もいるのだから。
大切な人がいなくても、家族がいなくても、家族との関係が良好じゃなくても、あなたはあなた自身を大切にしていいし、もちろん大切にしない自由もあるし、誰かに大切にされる権利がある。