仮想オフィス
さて、ZoomやHangout、wherebyといったサービスは面談や会議のオンライン化です。しかし、「メール→Slack」という補完関係に相当するビデオ・コミュニケーションのツールが、今はまだ存在していないように思うのです。Zoomはメールのような存在で、利用目的がハッキリしているときに使います。しかし、Slackがテキストで果たしたように、仕事中に場を共有している「仮想オフィス」というべきものを動画を活かして再現するようなツールは、まだほとんどありません。
さて、ここまでの話を図にまとめると以下のようになります。縦軸はコミュニケーション手法ごとの情報量の多い・少ないを示しています。上がビデオ、下はテキストです。左は目的がハッキリした「業務」で、右は「雑談・口頭」です。すると、右上の象限に入るツールが抜けているように思えるのです。
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右上が抜けている理由は、かつてビデオ会議は通信コストが高かったので無目的な利用がペイしなかったことではないでしょうか。私の父は、かつて電話で世間話ができない人でした。少し無言になると、居たたまれなくなって電話を切るのです。電話とは目的があるときに使うものでしたし、結構通話料も高かったのでした。だから「長電話」というのは後から出てきた使い方でした。目的のない動画コミュニケーションを楽しむというのはC向けサービスとしては多数台頭していて、当初、長電話が若者の間で広まったことと似ているようにも思います。