ブリコラージュ
何の役に立つのかよくわからないけど、なんかある気がする
これは人類学者のレヴィ=ストロースが言うところの「ブリコラージュ」と同じものと言えるでしょう。レヴィ=ストロースは、南米のマト・グロッソの先住民達を研究し、彼らがジャングルの中を歩いていて何かを見つけると、その時点では何の役に立つかわからないけれども、「これはいつか何かの役に立つかも知れない」と考えてひょいと袋に入れて残しておく、という習慣があることを『悲しき熱帯』という本の中で紹介しています。そして、実際に拾った「よくわからないもの」が、後でコミュニティの危機を救うことになったりすることがあるため、この「後で役に立つかも知れない」という予測の能力がコミュニティの存続に非常に重要な影響を与える、と説明しています。
ソフトウェアエンジニアには「引き出し」ってのがあるよなあ。業務と直結しなくても、おもしろそうな技術、未来を感じる技術はとりあえず触っておいて、感触を確かめておく。
尊敬するエンジニアの人たちにも引き出しを育てながら過ごしているタイプの人たちは何人もいて、いざ必要そうなシチュエーションになったときには「触ったことあります」「だいたいどんなものかは把握しています」と言うから強い。