イドラ
種族のイドラ(自然性質によるイドラ)
洞窟のイドラ(個人経験によるイドラ)
市場のイドラ(伝聞によるイドラ)
劇場のイドラ(権威によるイドラ)
ベーコンは、人間の知性は、これらのイドラによって人は一旦こうだと思いこむと、すべてのことを、それに合致するようにつくりあげてしまう性向をもつと考えた。こうした思いこみは、たとえその考えに反する事例が多くあらわれても、それらを無視ないし軽視しがちである。したがって、ベーコンは、この4つのイドラを取り除いて初めて、人は真理にたどり着け、本来の姿を取り戻すことができると説いた。ベーコンは、一面では、帰納法や人間の認識には限界があることを示したのであった。そして、これらのイドラにまどわされることなく、観察や経験によって得られる個々の事例を集めて選択・整理して、そこから一般的な法則を発見していくべきことを説き、経験論と合理論を統合することによって、科学は自然を支配することができるとしたのである。
偏見や先入観のことか。