アノミー
アノミー(英: 仏: anomie)は、社会の規範が弛緩・崩壊することなどによる、無規範状態や無規則状態を示す言葉。フランスの社会学者エミール・デュルケームが社会学的概念として最初に用いたことで知られる。
日本では戦後、天皇を中心とした国体という大きな物語を喪失しますが、昭和 30 年代までは村落共同体が、その後は左翼活動と会社がアノミーの防波堤として機能しました。擬似的な規範を形成して個人間の紐帯を形成することで一定規模の集団社会の凝集性を維持したわけです。ところが、ここ 20 年ほどでその凝集性は少しずつ弱まってきています。社会主義国の相次ぐ破綻で共産主義はイデオロギーとしてもはや大きな物語を支えられなくなり、また同様に「いい大学に入っていい会社に入って一生懸命働けば一生幸せに暮らせる」という物語も崩壊してしまった以上、会社にアノミー防止の役割を期待するのももはや難しいでしょう。
三つ目が、会社という「タテ型コミュニティ」に代替される「ヨコ型コミュニティ」です。これを歴史的な言葉で言えば「ギルド」の復活ということになります。
日本で就職というと「ある企業に入社する」という概念でほぼ用いられていますが、本来「就職」というのは「職に就く」わけであって「社に就く」わけではありません。ある共通の仕事をするグループに所属することで、その集団内に自分の居場所を作っていく、ということです。