計画の問題、実行の問題
一日あたりのキャパシティが 100 の人に「今日、タスク量 150 をこなしてください」と押し付けても、完遂はむずかしい。なぜならキャパシティをこえているから。当たり前のことを書いている。
日々、タスクに追われて「あーー、今日もやろうと思っていたことのすべては終わらせられなかった」と消化不良な状況に陥るとき、これを「実行の問題」と認識してしまうケースがある。「自分は手が遅い」「要領が悪い」と思っちゃうやつ。
だけど「計画の問題」な場合もよくある。キャパシティをこえたタスクと向き合うとき、大事なのは「自身のキャパシティを把握すること」と「キャパシティに合わせて計画を見直すこと」だ。
もちろん、鍛錬によってキャパシティを高めることはできる。今日は持ち上げられなかった重さのバーベルを、明日には持ち上げられるようになるかもしれない。それはそう。ただ、鍛錬の結果が出るまでには時間がかかる。明日、いきなり自身の能力が 2 倍になったりはしない。ちょっとずつキャパシティを高めていくことはできるけれど、いきなりバーンと高まることはない。
破綻している計画を前に「自分は、もっとシュビシュビとタスクをこなせるはず」「がんばればいけるはず…!」と実行の問題として捉えて奮闘するのはおすすめしない。計画が破綻していれば、ほとんどの場合で実行も破綻する。そんなことを繰り返していては自己効力感を失う一方だ。 「今日も、自分の作業は遅かった」「今日も、要領が悪かった」と一日を終えそうなとき。それは本当に実行の問題なのか、ためしに考えてみるのもよいだろう。