簡易にマークアップできる記法の功罪
数文字の記号を覚えるだけで HTML のマークアップを実現できる便利な記法が、ここ数年でさらに普及してきたように思う。全人類が HTML を覚えるってのはなかなかハードなシナリオだと思うので、こうしてより多くの人々が気軽にマークアップ言語を活用できるようになったのはうれしいことだろう。 一方で、これはぼくが書いていてまったく引用文ではないのだけれど、引用記法によってもたらされるこういった見た目を採用したいがために、引用文ではない文章が引用記法で書かれているのを見かけることも増えてきた。
自然言語であれば、言葉の使われ方の変化を安易に「誤用」と評することには慎重な態度がある。マークアップ言語ではどうだろうか。いつかの未来には <blockquote></blockquote> が必ずしも引用を意味しない世界になっているのだろうか。