感情労働としてのマネジメント
一つの足がかりとして、マネジメントは感情労働であるという前提を置いてみたい。感情労働とはその名の通り、自身の感情のコントロールを役務の一つとする労働を指す。
感情労働には「過程の同時性」「結果の不確定性」「人格の不可分性」という三つの特徴がある。
Aさんのように、他者のネガティブな感情を自分に引き取ってしまう状況は「エモーショナル・スポンジ」と呼ばれる。
すかすかのスポンジが水をよく吸収するように、エモーショナル・スポンジとなった人は、周囲の感情を自身に取り込んでしまう。他者の緊張、心配、不満、かなしみ、怒りといった感情を自分のものとして取り込んでしまう。結果的に周囲の感情に自身が振り回されて、ストレスを抱えてしまいやすい。自分自身の感情のケアが後回しになる。