属性を理由に自分をネガティブ評価する
「自分は◯◯なんで、いいですいいです〜」みたいなやつ。◯◯になにかしらの属性が入る。生活の中でいろんな人と接していると、けっこう見聞きするコミュニケーション様式だなあ、と思う。
相手とぼくとふたりだけの場でこれ系が出てきたときは、肯定するでも否定するでもなく「へぇ〜、あなたは自分のことをそんなふうに扱うんですね」と思って受け止めている。「へぇ〜、山形県出身なんですね」と同じような気分で、情報のひとつとしてただ受け止めるような姿勢になる。
他方、たとえば企業の Slack であるとか、コミュニティの Discord であるとか、
いろんな人々の出入りがある場所で
会話のログが残る場所で
のやりとりの場合は、もうちょっと慎重に受け答えしなきゃいけないよな、と思って背筋を伸ばす。なぜか。その◯◯に入る属性が、これから新しくその場にやってくる人の目や耳にも入ると認識しているからだ。
「自分はおじさんなので、遠慮しておきます」と 45 歳の男性が発言してそれがログに残ったとして、あとからやってきた 47 歳の男性がそれを見たら「遠慮した方がいいのだな」というメッセージを受け取り得る。「自分は遠慮しておきます」なら個人の意思として尊重するけれど、属性を持ち出されたら「それは属性の代表者のつもりでの発言だろうか?」と見極めなきゃいけなくなる。
本人は「自分ひとり」を対象にして述べているつもりかもしれないけれど、意図せず他者を巻き込んだ代弁になってしまったり、他者への態度の強要メッセージをはらんでしまったりすることもあるので、気をつけたいと思っている。そうなってしまったら、それはただの「謙遜」「遠慮」では済まないのだから。
実際に「あなた以外の◯◯な人に、そうふるまってほしいと考えていますか?」と質問するなどして、見極めをやっていくことはちょいちょいある。