人生を豊かにするこじつけの魔法
那須塩原を去る日、いつも吠えてきた近所の犬がそのときはぜんぜん吠えなくて、やさしい表情でぼくらを見送ってくれた。妻はなぜかそれがトリガーとなって「さみしいよ〜」と泣き出してしまう。
「よく吠える犬が、今日は吠えなかった」という事実に対して、ぼくらはエモい意味づけをしようとしていて、これはこじつけでしかなくて、でも誰にも迷惑をかけないようなこじつけを咎められるようないわれもないし、こういうこじつけの積み重ねが人生を豊かにしていくのではないか、とさえ感じられた。 というのをこんまり風の一文にするとタイトルの通りになる。