VRChatと実会場をつないだハイブリッド講演のノウハウ
素朴な構成と、起きうるトラブル
VR学会2022で用いた構成(実績あり)
ポイント
実会場からVRChatへの音声は、必ずHMDのマイクやヘッドセットマイクを使う(集音性のあるマイクを使わない)
集音性のあるマイクを使うと、オンライン側の人が発言すると会場のスピーカー・マイクを経由して跳ね返ってくることになる
HMDのマイクでも会場スピーカーの音量が大きすぎると跳ね返ってくるので、事前に確認と音量調整をしたほうがよい。
会場のマイク・スピーカーシステムにエコーキャンセラーが搭載されていればこの問題は起きないけど、珍しいと思う
なおVRChat参加者が登壇者ではなく、会場スピーカーのような大きな音で喋る必要がないのなら、市販のエコーキャンセルつきスピーカーマイクを使うのも手。
実会場で喋る人は、VRChat用と会場用の2つのマイクを同時に使う
それか、HMD用のマイクを会場スピーカーに分岐するのでもよい。ただし、PCの「デバイスを聴く」で分岐すると遅延が大きくしゃべりづらいかもしれない。また、そもそもQuest単体の場合はできない。
会場用マイクだけではなぜよくないかというと、VRCにはそれぞれのクライアントで喋った方がきちんとアバターの位置から声が出ることになるので。
実会場にいる人同士はお互いの音声をミュートする
特に会場スピーカに流す役の人は必ず。そうしないと実会場の人の発言がVRCを経由して遅れてスピーカーから聞こえることになる(非常に話しづらい)。
ただし個別に音声をミュートできるVRChatならではの技。個別にミュートができないのならば、実会場参加者の声は1クライアントに集約して、各自はマイクをオフにしてしまうのがいいかもしれない。
正直Zoomでハイブリッド講演をするような場合にはこういう構成にすると思う。実会場の人がそれぞれZoomに入るようなことはあんまりしないはず。
ただVRCの場合、アバターを動かして見せたり、遠隔側に正しい立体音響を伝えたりするためにそれぞれのアバターから声を出すのが正しいので、各自でログインしたくなる。
実会場の様子をとらえるカメラがあるとうれしい。(今回はなくて困った)
司会がオンライン側にいる場合はなおさら。
ちなみにVRChatの会話中の通信量は0.3~0.5kbps程度。
実会場登壇者がQuest単体で入る場合、その人にはフォールバックアバターが見えていることに注意。
また、スライドシステムや動画プレイヤー等は機能しないこともあるのでこちらも注意が必要。
状況別、考えられる別構成案(未検証)
大規模エコキャンがあるとき
小さなスピーカーマイクで十分なとき
個別に音声ミュートできないとき