高齢者向けネットシステムの開発と実践――インターネットでの交流による社会的活動およびウェルビーイングの促進効果の検討――
本論文の扱う「問い」
インターネットでの交流は,高齢者の社会的活動やウェルビーイングを向上させるのか?
本論文のここが面白い!
本研究では,スマートフォンを用いた高齢者向けネットシステムを開発し,本ネットシステムでの交流を通じて,高齢者の社会的活動やウェルビーイングが促進するかを検討しました.本ネットシステムの特徴として,スマートフォンの操作に慣れていない高齢者が多いため,操作しやすい簡便な機能や画面表示を用いており,高齢者同士での交流の場として「オンラインカフェ」を実装しました.実践実験の結果,本ネットシステムでの高齢者同士の交流が多いほど,QOL,主観的幸福感が高くなることや,ネットシステムの利用後では,オンラインでの対人交流量,外出頻度が高く,孤独感が低いこと等の結果が見られました.これらのことから,本ネットシステムでの交流により,高齢者の社会的活動及びウェルビーイングが促進する可能性があるといえます.今後は,オンラインでの交流からオフラインでの交流につながる取り組みやネットシステムの使い方を検討し,高齢者の交流の場を広げていければと考えています.
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