非同期分散学習における効果的なグループワークの特徴分析
本論文の扱う「問い」
非同期分散の学習において,グループメンバの学習活動のテンポは,グループ学習の成果に関係あるか.
本論文のここが面白い!
非対面のグループ学習のような,お互いが見えない環境でも,学習活動のテンポが似ている方が,学習成果につながる可能性を,学習ログのクラスター分析で探りました.日常では,個人固有の生体リズムがあり,同調していると会話が円滑になるといわれます.
このようなパーソナルテンポは,対面学習では,同じタイミングで行われるためグループ学習に活かすことが可能です.しかし,LMS を使用したオンラインの学習では,学習者の実施タイミングは一定ではありません.本論文では,そのような非同期分散の学習においても,閲覧や投稿のタイミングなどの活発さが似ている方が,グループ学習の成果が良いことを示しました.また,その成果につながる具体的な指標として,学習活動のテンポのなかでも,特に,投稿間隔などの五つのパラメータが関連することを,自己組織化MAP(SOM)で分析しました.非同期分散の学習は,今後も多くの授業で継続されると思うので,授業での教示などに活かすことができればと考えます.
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