適応型学習支援システムを活用した反転型授業の提案と評価
本論文の扱う「問い」
基本的な内容の解説をしない反転授業を大学の授業の全15週に適用できて,個々人の予習の理解度の差異に対応することを主眼に学習成果の質を担保できる仕組みは何か?
本論文のここが面白い!
本研究では,適応型学習支援システムを活用して,学習者の理解度に応じた予習を促し,理解度を意識した授業活動を図れる反転型の授業設計を提案・評価しています.知識の定着・活用から応用に至る学習目標を複数回の授業で段階的に扱う授業を研究対象にしています.この授業を反転型にすると予習度合いの違いによる学習者の理解度のばらつきが生じやすく,これを解決すべき課題としました.この課題に対応するために,予習時と授業時のそれぞれに個々の理解状況に応じて学習を行えるように設計方針を設定しました.実際にプログラミング系科目での授業実践を通じて,週毎の理解度の変遷やアンケートの分析の結果から予習と授業を一体的に扱う本研究提案の授業設計の有効性を評価しました.その結果,知識の定着・活用の能力の養成に効果があり,また知識の応用に関わる授業展開まで 15 週の授業設計のなかで実施できました.
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