遠隔授業不適切学習行動と学習動機づけとの関係分析(論文)
本論文の扱う「問い」
遠隔授業で不適切学習行動の頻度や割合を定量的に測定するとともに,その頻度の高低と学習動機づけがどのような関係にあるかを明らかにしたい.
本論文のここが面白い!
2021年度研究会優秀賞をいただいた発表を,質疑応答や閲読コメントを参考にブラッシュアップしたものが本論文です.遠隔授業において,教員側から見て不適切と思われる学習行動の頻度を5件法で調査しました(表 1).「ほとんどしない(10%以下)」と回答した低群と,それ以上の回答をした高群とに分け,同時に測定している動機づけ尺度の回答とを比較した結果,すべての不適切学習行動において,高群は外的調整が有意に高く,同一化的調整と内発的調整が有意に低いことが明らかになりました.すなわち,不適切学習行動を行う学生は学びの必要性や学びの楽しさを理解できていないことが分かりました.今後,遠隔授業の学習効果を高める学習システム開発を目指す研究者の皆様の参考になれば幸いです.
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