論理的思考力の向上を指向した三角ロジック演習への非常識問題の組み込みと実験的評価
本論文の扱う「問い」
偽であると判断できる命題を含んだ妥当な論理構造の組立を三角ロジック演習に組み込み,演習活動への影響を調べました.
本論文のここが面白い!
本研究では,偽と判断できる命題を含んだ妥当な論理構造の三角ロジック組立課題として非常識問題を作成しました.下図がその例です.大学院生,大学生,高校生計 57 名による実験的利用のデータを分析した結果,非常識問題は,常識問題と同程度の難易度であることを示唆する結果を得ました.これに対して問題の構成単語を無意味つづりに置き換えた無意味問題については,先行研究と同様に今回も大幅に難易度が上がるとの結果を得ています.無意味化が難易度を大きく上昇させる一方,非常識化が難易度をさほど上げないことについては非常に興味深い結果であると考えていますが,現時点では十分に説得力のある理由を示せていません.今後,非常識化および無意味化の方法の分類整理と合わせて,より深く研究していく価値のある結果であると考えています.
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