言語通級指導教室を支援するための遠隔構音検査システム
本論文の扱う「問い」
言語通級指導教室と外部専門家の連携のために開発した遠隔構音検査システムの検査性能を評価したい.
本論文のここが面白い!
通級学級に通う児童の数は年々増加しています.多くの児童が通う言語通級指導教室では,さまざまな支援や指導が行われていますが,こういった指導には専門知識やスキルが必要であり,専門家診断も欠かせません.そこで私たちは,通級の先生と外部専門家の連携を促進するために,遠隔構音検査システムを開発しました.このシステムを教育現場で実際に活用していただくには,このシステムが十分な検査性能を有することを示す必要があります.そこで,言語通級指導教室にて,①従来の対面形式での検査,②本システムによるオンライン検査,③一般的な web 会議システムによるオンライン検査の 3 つの検査方法で構音検査を行いました.診断結果を比較すると,検査方法間および検査者間で診断の一致度が十分に高く,オンラインでも検査が可能であることがわかりました.また,診断者に診断の確信度について評定してもらった結果,診断確信度は,提案システムによる検査が他の検査方法よりも有意に高くなりました.さらに,提案システムは,一般的な web 会議システムよりも使用感に対する評価が高いことがわかりました.
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