私立大学社会科学系学部におけるオンライン授業の授業改善アンケートを用いた評価
本論文の扱う「問い」
対面授業とオンライン授業とでは、授業改善アンケートの結果に違いはあるのか? この結果にアクティブラーニング率の高低の影響はあるのか?
本論文のここが面白い!
本研究では,私立大学社会科学系学部を対象に,通常の対面授業が可能であった 2018 年度と 2019 年度の前期の授業改善アンケートにおける評価と,新型コロナウイルス感染症の拡大のためオンライン授業となった 2020 年度前期の評価を比較しました.
授業アンケートの評価結果の対面授業とオンライン授業の比較については,これまでにさまざまな研究成果が発表されていますが,本研究では授業科目のアクティブラーニング率に注目して科目の「総合評価」を比較しました.その結果,アクティブラーニング率が低い科目群はオンライン化が評価にプラスに働く場合が多いこと,アクティブラーニング率が高い科目群でも Zoom などを用いて学生と教員がコミュニケーションを取り合えば同様の評価が得られることが分かりました.また,「毎回平均してどれくらいこの授業の予習,復習または課題のために時間を使いましたか?」「この授業に意欲的にとりくみましたか?」などの学生自身の行動・取り組みを問う設問は,オンライン授業の方が高いことも分かりました.