物体間の関係性の発見に基づいた視点変更方法とトレーニングシステムの構築
本論文の扱う「問い」
1. 視点を能動的に変更する方法とは?
2. 視点の変更方法を習得するためのトレーニング環境とは?
本論文のここが面白い!
物を多角的な視点で見ることは重要です.しかし,どのような視点で物を見るかを意識的に変更することは困難です.本論文では視点を「対象となる物が他の物に対してどのような役割を果たすか」であると捉え,他の物を発見し,その物から見た役割を考えるという視点の変更方法を提案しました.また,この手法を習得するためのトレーニングシステムとして,図形を題材として,提案したステップを段階的に体験できるシステムを構築しました.
トレーニングシステムでは複数の図形で構成された空間の情報と視点を変更する図形をお題として与えます.そのうえでまずユーザに他の図形をすべて発見させ,その後発見した図形との物理的な位置関係より対象図形の役割を導出させます.
この図形を題材としたトレーニングシステムを利用してもらった結果,図形だけではなく,図形以外の物体の役割も有意に増加しており,視点の変更に有効であることが示唆されました.
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