小学校段階におけるプログラミング的思考を操作として展開・評価する学習環境の構築(受賞論文)
本論文の扱う「問い」
初等教育において必修化されたプログラミング教育の学習過程で獲得される「プログラミング的思考」を客観的なデータに基づいて定量化することができないか?
本論文のここが面白い!
本研究では, 小学生を対象にプログラミング的思考を定量的に評価することを目指した学習環境Thinkron を開発しました.具体的には,図に示すような 4 種類の連動する思考課題を設計し,それぞれの課題の操作ログから,操作回数や操作の正しさ,回答時間などを収集し,プログラミング的思考に対する指標を設定しました.小規模なケーススタディにより,講師のルーブリック評価と提案した評価指標の間に,制御課題以外の課題で適切な難易度の下で一定の相関関係が認められました.この結果は,児童のプログラミング的思考の段階を推定するうえで,操作に基づく指標の有効性が示唆されたものと考えられます.また,従来あまり事例のなかった推論課題や分割課題といった設計段階をカバーしたプログラミング学習環境として位置づけられます.
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