実践力習得のための研修設計の提案——学習課題の分類に基づく従来版の調査と改善——
本論文の扱う「問い」
実践力習得を目的とした従来の研修は知的技能を学習させる教材になっているか?
実践力習得の学習に長期集合は必要か?
本論文のここが面白い!
本論文は実践力習得を学習課題分類の観点から捉え,学習課題の特徴を踏まえた分類基準を用いて従来の研修を調査し,99.8%が言語情報であり知的技能を学習させる教材になっていないことを明らかにしました.さらに,知的技能を中心とした実践力習得のための研修設計を提案しました.この研修設計はLMS やZoom などの会議システム(MS)を利用し,独習フェーズ,協調学習フェーズ,対面学習フェーズという三つのフェーズで構成されています.学習時間のうち集合が必要なのは対面フェーズのみであり,実践力習得の学習に長期集合が不要であることを明らかにしました.さらに集合時間の削減により指導者の対応時間の削減も実現しました.本設計は,看護以外の分野の実践力習得に適用を拡大し,医療者教育のデザイン原則として洗練させていく予定です.今後も引き続き専門的な教育設計を通じて,医療者が自信と誇りをもって活躍できる環境を整備し,患者やその家族への安全・安心で質の高い医療サービスの提供に貢献することを目指します.
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