学習者の受講状態センシングに基づくインタラクティブロボット講義システムとその有効性評価
カテゴリ:先進的学習支援技術
分  野:先進的学習支援
【一般論文】(Vol. 43, No. 1, pp. 26‒38)
島崎 俊介(電気通信大学)ほか
https://doi.org/10.14926/jsise.43.26
本論文の扱う「問い」
・RQ-1:ロボットは学習者の注意を維持できるか?
・RQ-2:ロボットは学習者の講義理解を促進できるか?
・ RQ-3:ロボットは人間講師と同程度に学習者の受講状態を推定できるか?
本論文のここが面白い!
近年,オンライン講義やVR 講義など多様な講義形態が登場していますが,いずれの形式でも「学習者の注意を持続させ,理解を促進すること」は大きな課題です.私たちは,この課題に取り組むために,学習者の受講状態をリアルタイムにセンシングし,その状態に応じてロボットが講義を行う「インタラクティブロボット講義システム」を開発しました.
本システムは,学習者の視線や姿勢をセンシングし,注意状態かどうかを推定します.そして注意が外れていると判断した場合には,ロボットが声の調子を変えたり,スライドを繰り返したり,歩いて近づいたりといった「講義インタラクション」を行います.こうしたインタラクションは,まるで人間講師が状況を見極めながら講義を進めるかのような効果を生み出すことを期待しています.
私たちが実施したケーススタディでは,ロボットがインタラクションを行ったグループの方が,そうでないグループに比べて「注意が持続した」「講義内容の理解度が高まった」という結果が得られました.また,ロボットによる注意が維持している状態の正解率は9割を超え,人間講師と同等の判断が可能であることも示唆されました.
これらの問いに対する実証的な結果から,ロボットが学習支援メディアとして「人間らしい講義を行うことで注意を維持し理解を促進する」可能性が見えてきました.本研究は,将来的な人間講師による講義の進化や,一人一台の学習パートナーロボット時代を見据えています.PC やタブレットが学びのメディアとして一般的ですが,今後は,ロボットがあなたの学びに応じた支援を行う時代が来るかもしれません.
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