学習ログデータからの特異性の検出と情報構造に基づく意味的分析による学習課題の再検討――単文統合型作問学習支援システムモンサクンの実践データを事例として――
本論文の扱う「問い」
学習課題の情報構造を厳密に定義することは,学習プロセスの分析や思考過程の推定に有効か?
本論文のここが面白い!
小学生向けの作問学習支援システム「モンサクン」では,学習課題の情報構造が明確に定義されています.このような取り組みは「オープン情報構造アプローチ」と呼ばれています.「オープン情報構造アプローチ」の意義の一つに,学習者にとって適切ではないと推定された課題が発見された場合,その因果をモデルベースで情報構造に倣って説明できる点があります.本論文では,従来のラーニングアナリティクス研究ではあまり関心が払われてこなかった「学習課題の構造を設計することの重要性」に焦点を当て,オープン情報構造アプローチの意義をラーニングアナリティクスの文脈で明らかにしました. 本論文の成果は,ラーニングアナリティクスのさらなる発展や,情報構造思考アプローチのラーニングアナリティクスに帯する意義の明確化に繋がることが期待できます.
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