受験者の能力を考慮した深層学習ベース短答記述式問題自動採点手法(受賞論文)
本論文の扱う「問い」
深層学習に基づく短答記述式問題自動採点において,答案の文章情報に加えて受験者の「能力」という外部情報も加味することで,自動採点の精度を向上できるか.
本論文のここが面白い!
本研究では,近年高性能化が進む深層学習を用いた短答記述式問題自動採点の精度向上を目標としています.これを実現するために,本研究では,短答記述式問題と客観式問題が同時に出題されるテスト(MixedFormat Test)を想定し,客観式問題への受験者の正誤反応データから項目反応理論(Item Response Theory)と呼ばれる数理手法を用いて推定される受験者の能力値を, 深層学習に基づく短答記述式問題自動採点モデルに組み込むことを提案しています.提案モデルのアーキテクチャは図 1 のとおりです.
本研究のオリジナリティは,短答記述式答案の得点予測に,答案の文章情報だけでなく,受験者の「能力」という外部の情報を活用する点にあります.このようなアイディアに基づく自動採点技術の開発・検証は著者らの知る限り本研究が世界初の試みです.
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