プログラムトレース課題を自動生成するシステムを用いたトレース学習の実現可能性に関する調査
本論文の扱う「問い」
トレース課題の自動生成によって効果的な学習を実現することは可能か?
本論文のここが面白い!
本研究の面白さは,自動生成によるトレース課題の新たな活用方法について検討している点です.
プログラミングを行ううえで,そのプログラムがどのように動作するのかを詳細に認識(トレース)することは重要です.そこで本研究では,プログラムを入力することで自動的にトレース課題を作成することができるシステムを開発しています.自動生成することでより簡単に多くの問題を扱えるようになることはもちろん,デバッグの学習にも使えるのではないかと考えています.
デバッガを用いることで,プログラムがどのように動いているのか,変数の値はどのように変化しているのかなどを知ることができるため,プログラミング学習において,デバッガを用いることは効果的です.しかし「どこに着目すればよいか分からない」「デバッグの結果をどう解釈すればよいか分からない」など,初学者にとってはデバッガを活用することが難しいと考えられます.そこで本システムでは,学習者の作成したプログラムからトレース課題を自動生成することで,仮想的なデバッガとして扱うことを検討しています.本システムではトレースを課題として与えることで,注目する点や結果が明示されるため,初学者に理解しやすいデバッグ学習につながると考えています.
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