フルオンライン化した完全習得型反転授業の実践と評価
本論文の扱う「問い」
完全習得型の反転授業の対面授業部分を非同期・オンラインを活用した授業設計に変更することで、主体性と理解度の両面からの学びが高まる授業実践が図られているか?
本論文のここが面白い!
本研究は,反転授業の対面部分を非同期・オンライン形式に変更した新しい授業設計を提案し,大学のプログラミング科目に適用して,学習者の主体性,学習成果,教育の質に関して評価しました.提案する授業設計は従来の反転授業と比較して,学
習成果を保ちつつ学習者の主体性を促進する効果があることが分かりました.非同期・オンライン環境で自由度が高いにもかかわらず,多くの学習者が学習者は反転授業の構造に従って学習しておりました.また,知識の定着が早まる傾向が見られました.さらに,同期・オンラインの授業により場所の制約をなくし,柔軟な授業運営が可能となりました.ただし,時間の制
約に関しては学習者が参加する授業時間が 180 分から 30 分に短縮されたものの,特定の日時に集まる必要があるという時間的制約は課題として残りました.以上,本研究で提案する授業設計は時間的制約の観点などで課題は残っているものの,場所の制約は排除したうえで学習成果を維持しながら学習者の主体性を引き出すことが可能な授業設計となっており「学修者本位の教育」に資する新たな授業設計として参考になると考えます.
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