ステークホルダーに着目したVOD学習のモデル化の試み̶大学院における複数の学生群のリメディアル教育の事例̶
本論文の扱う「問い」
VOD 学習の課題と解決方針を把握するためには,どのようにモデル化を行えばよいか.
本論文のここが面白い!
本論文では教授者と学習者に加えて従来重視されてこなかったシステム管理者をも主要なステークホルダーに含めた関係性に着目したモデル化を試みました.具体的には,特定の対面講義を収録したVOD コンテンツを「補完教材」として活用する学生群と別拠点で「主教材」として活用する学生群が存在する事例を対象にモデル化を行い,アンケート調査やインタビュー結果を分析しました.
その結果,学生の学習スタイルに起因すると思われる学習時の困難さやシステム改善の要望を把握するとともに,図のようなステークホルダー間の制約関係の把握により実現可能性の高い改善手段の検討を試みました.
今後の課題としては,今回得られた結果を踏まえた具体的な改善策の実現提案が考えられます.特に,学生のVOD 学習の履歴データから学習スタイルを直接把握して,各々の学生に則した支援の提供が望まれます.
https://scrapbox.io/files/624684c9907217001ec259d2.png