エージェンティックスキルとしてのメタ認知スキル獲得の動機づけを高めることを意図した学習支援方式
本論文の扱う「問い」
対話的自己論モデルの段階的提示という教授戦略によって,青年期の大学生に,アイデンティティ資本およびメタ認知スキルを獲得する動機づけを与えうるのか?
本論文のここが面白い!
(1)本研究では,アイデンティティに対する「達成」と「機能」の視点,アイデンティティ形成に対する「同一化」と「分権化」の視点,対話的自己に対する「自己内の自己との対話」と「自己内の他者との対話」の視点,メタ認知の活用対象に対する「閉じられた世界」と「開かれた世界」の視点といった概念的知識に対する多元論的な考えから,学習支援方式を構成しています.(2)教育システム情報学分野において行われている「自己内対話(頭のなかでの自分同士の対話)を学習モデルに組み込んだ学習支援研究」に新たな観点を提供する可能性があります.(3) 教育システム情報学分野において提唱されている「『観点に基づく学習主題のビデオ視聴とレポート記述』および『他者レポートの共有と吟味』から構成される教授戦略の枠組みを展開させる可能性があります.(4) 今後,本研究と上記(2)および(3)に関する研究を統合的に論じることができるモデルを構成することを目指しています.
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