監督の財産
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『監督の財産』栗山英樹・著 vol.6582
北海道日本ハムファイターズを日本一に導き、2023年のWBCでは日本を世界一に導いた、栗山英樹監督によるリーダー論の集大成。監督初挑戦からWBC制覇まで、監督生活12年の軌跡と学びをまとめた、リーダー必読の一冊です。
著者が2012年~2013年、監督として記した著書5冊(『覚悟』『伝える。』『未徹在』『最高のチームの作り方』『稚心を去る』)と、新原稿である『監督のカタチ』『集大成(2019~2021)』『考察・野球論』『光るべきもの』をまとめ、なんと800ページを超える「鈍器本」に仕上がっています。
著者に影響を与えた指導者、古典名著、そして実践から学んだリーダー論は、すべてのリーダーに気づきを与えること、間違いなしです。
心底驚いたのは、著者が各選手とのエピソードを事細かに覚えていること。「最高のチームの作り方」について書かれた部分を読めば、著者が選手一人一人を生かすために、徹底して考え抜いていたことがよくわかります。見た目はバイブル的な本ですが、個々のエピソードの中には、思わずグッと来るものもあり、じつは感動なくして読めない内容でもあります。
引用
目の前で起きた状況に対して「はい、これ」と反射的に判断できるようにしておく。遅れない、差し込まれない
まず、ミスをはじめとした「うまくいかなかった」ことの理由がはっきりしているのか、いないのか、ということから考える(中略)理由がはっきりしたなら次は、何に取り組むか、どう行動するかだ。具体的には「練習が始まったら5分だけ、バント練習するよ」とコーチ会議で決める
人は一生懸命になった時に成長する。選手も同様だ。じゃあどうすれば一生懸命になれるかと言えば、「私淑する」ことになる
端的にスパンと心に響く言葉、人生を変えるような言葉は『片言隻句』--短い言葉、一言である-
ゲンちゃんは、ある「変わった(バッティングが向上した)」きっかけを教えてくれた。それは、なんとプロに入ってからのこと。辻監督(当時)からの「インコースが来たら引っ張れよ」という一言だったと言う
「常識」や「非常識」という考え方は思考を停止させる
できないということは、教えられていないということ
いまいるメンバーが、ベストメンバー
「批評家になるな。いつも批判される側にいろ」(倉本聰)
「指導」は“coach”である。“coach”という英単語のそもそもの意味は「馬車」、すなわち乗り物であり、「大切な人を、その人が望むところまで送り届ける」という意味合いから派生して、「指導」にも使われるようになった
ピッチャーは、迷う前に代えてしまうこと
結果ではなくプロセス、的中率の高い勘よりもみんなを納得させられる根拠が、組織を動かしていくためには重要
自分に合ったヒントをもらったとき、人は変わる
守備がうまい選手は必ず打てるようになる。これは僕の持論である。(中略)ボールに対するアプローチは守備だと「捕る」、打撃だと「打つ」と、それぞれ異なる表現になるが、これを「捉える」と言い換えるだけで、ボールを捉えにいく感覚には共通するものがある
「ひとつだけお願い」と言えば、聞いてくれる
「誰も傷付けない」楽な選択をしない
◆目次◆
はじめに
1 監督のカタチ
2 覚悟
3 伝える。
4 未徹在
5 最高のチームの作り方
6 稚心を去る
7 集大成
8 考察 野球論
9 光るべきもの
おわり