樹木たちの知られざる生活
https://gyazo.com/2999c9561432757d4358f90295e43614
ペーター・ヴォールレーベン
早川書房 (2018/11/6)
p52
森の樹木には守るべきマナーがある。原生林のメンバーとして身だしなみを整え、きちんと行動しなければならない。
広葉樹は幹がまっすぐ。幹の一番上の部分だけが、空に向かって斜めに突き出した腕のように力強い枝を均等に広げる(若い頃の枝は落ちて、その跡は新しい樹皮で覆われる)
針葉樹は樹冠の枝が水平に/少し下向きに伸びる場合もある。
→理想形だと安定していて長生きする。こういう形の木は道の途中であっても残す。
P62
中央ヨーロッパでは数年に一度、森林の10%を伐採する。
寄りかかる木、幹が曲がっている木、幹の樹皮が破裂している木、破裂した後のある木(樹皮が黒くなっている)は長生きしないので、伐採してOK。
P114
泥炭の成り立ちと二酸化炭素
二酸化炭素が増えると木々の成長が早くなる。木はゆっくり成長してこそ長生き。
P121
広葉樹は雨量の85%を自分のために使う。
針葉樹は約30%程度。そう考えると、砂地の小原地区の山には広葉樹が多い方が土砂崩れ対策になるのでは?
P141
シカは主に草を食べる。そして、森林の中に棲むことを好まない。天然の森林はシカの群れが必要とする量の草が生えていないからだ。したがって、本来の生息地は草原となる。理想的には、時々氾濫する川のおかげで視界の開けた草原がいい。しかし、そういう場所にはすでに人間が住んでいることが多い。人間が都市づくりや農業に利用していない川辺の平地などいまやほとんどない。
→確かに小原でもそう。お寺の広場にシカが大量に出てくるのはそういうこと。耕作放棄地にするなら、野生動物用の牧草地を作っても良いのかも。エリアを区切る。それと、山の中に草原スペースを作るのもアリかも。イノシシもそんな感じ?
P247
助けを求める木々は、芳香物質、つまり化学的な伝達物質という”叫び声”を出す。森に入った時に私たちは、こうした物質を肺に吸い込んでいるのだ。
では、私たちは彼らのメッセージを無意識のうちに理解しているのだろうか?危機に瀕した森は不安定で、人間にとっても適した生活空間とはなり得ない。人間は石器時代の昔からずっと最適な生活環境を求めてきた。そう考えると、私たち人間には身の回りの環境状態を無意識のうちに理解できる能力が備わっていても不思議はないだろう。実際に、人間にはそういう能力があることを示す証拠も見つかっている。森を散策した人々を調査したところ、針葉樹林では血圧が上がり、ナラ林では血圧が下がってリラックスできることがわかったのだ。どの森が自分にとって一番快適か、あなたも一度試してみてはいかがだろうか。
→小原周辺の山里はどうか?色々なところに足を運んで、環境状態を感じてマッピングしてみると面白いかも。はだしで歩けるところリストも。
P269
林業を、食糧生産における”有機林業”に相当する方法で営もう(択伐林業)。その際、あらゆる年齢と大きさの木を組み合わせて営林し、幼木が親木の下で成長できる環境を作るのだ。そして老木にも配慮して、森の5%から10%には手をつけずに保護する。そうした”有機林業”で採れた木材はためらいなく利用していいだろう。
→有機林業があるなら自然林業も可能か?親木と幼木の組み合わせは大事なので、周辺をよくみて道を作る。陽射しが入るようになっても親木がすぐに大きくなって日光を確保しようとするのだから。暗いのが当たり前。