森永卓郎流「生き抜く技術」
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『森永卓郎流「生き抜く技術」』森永卓郎・著 祥伝社
本日ご紹介する一冊は、2025年1月28日にガンで亡くなった著者、森永卓郎さんによるラストメッセージ。延命治療をしてまで執筆を続け、亡くなる3週間前まで書き続けたということですが、そのメッセージは、主に獨協大学の学生さんたちに向けたものだったようです。著者のゼミでは、学生の発表を論評するタイミングに合わせて、著者が学生たちに幸福な人生を送るためのコツを伝えていたようですが、本書の内容は、まさにその幸福な人生の秘訣を述べたもの。
合計31の教訓が書かれており、お金や仕事、人生で成功するための考え方がまとめられています。
・「投資は儲かる」というのは幻想にすぎない
・「教養」のレベルが上がれば上がるほど、ムダな出費は自然と減る
・幸せな仕事人生を実現できるか否かは、報酬の多少ではなく、やりがいの有無がすべてである
・人生で一番大事なのは、「一生のパートナー」を見つけること
メッセージをざっと眺めるだけでも参考になりますが、理屈を読めば、この資本主義社会で幸せに生きるための一見非常識な常識が見えてきます。政治やマスコミによって作られた「常識」の裏をかく生き方が述べられており、独立自尊の生き方を貫きたい人には、刺さる内容ではないでしょうか。著者は経済アナリストとして、最後まで戦い続けた舌鋒鋭い人物でしたが、本書の文章からは、むしろ未来ある学生さんたちへの優しい眼差しが感じられます。
引用
お金がないと、どうしてもお金を稼ぐために自分の信条を曲げざるを得ない事態に追い込まれてしまう
ある程度のお金を持っていて当面の暮らしに不安がなければ、辞表を叩きつけるという選択肢を持つことができる
お金を貯めたら「やりたくない仕事」の切り捨てに進む
お金が自ら増えることはない。お金が増えるのは、働いたときと他人から奪ったときだけだ。ドロボウやサギ師になる覚悟がないなら、働く以外にお金を増やす方法はないと考えるべきである
最も安全な投資先は「日本円」と「田舎の不動産屋」である
教養レベルを上げれば、エンターテインメントを楽しむために、わざわざムリをして働く必要はなくなる
ブランドを信仰するのではなく、目利きの能力を高めよう。それが、あなたの暮らしの質を高めることになる
すき焼きのコースと牛丼は、中身がほぼ一緒であるにもかかわらず値段が3倍以上違う
田舎に行けば行くほど人間関係が濃くなり、コミュニティに参加するハードルが上がるから、行くなら若いほどよい
1アールの農地もあれば家族が食べる分は十分自給できる
どれだけ早く天職を見つけられるかが勝負の分かれ目
私は、あげると言われたら、もらうことにしている。断ったら角が立つからだ。だから、4軒連続で栄養ドリンクを出されたときも我慢して飲んだし、コーラの1リットル瓶を出されたときも飲み干した。それで、ますますかわいがられるようになった
「親が死んでも締め切り厳守」は、どんな仕事にも共通する“鉄のオキテ”である
せめて可能な限りウソの少ない人生を送ろう
「さすがにそれはムリかな」レベルなら迷わずトライしてみる
◆目次◆
Chapter1 お金に関するモリタク流 「常識」と「非常識」
Chapter2 仕事に関するモリタク流 「常識」と「非常識」
Chapter3 人生に関するモリタク流 「常識」と「非常識」