家は生態系
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著者: ロブ・ダン/今西康子
概要: 玄関は「草原」冷凍庫は「ツンドラ」シャワーヘッドは「川」-家には様々な環境の生物がすみついている。「家の生態学」研究からわかった、屋内生物の役割とその上手な付き合い方。あなたの暮らしや健康に影響大!
出版社・書籍情報: 白揚社(2021年02月19日頃)
参考価格: ¥2970
ISBN: 9784826902236
ノート
P100
からわかるのは、多種多様な在来植物に曝露することによって、皮膚のガンマプロテオバクテリア(および肺や腸内にいる同様の効果をもたらす細菌)が増加し、それがひいては、免疫系の平和維持の経路を刺激して炎症反応を抑制するということだ。Acinetobacter species in the skin microbiota protects from allergic sensitization and inflammation
・・・野生植物はもちろんのこと、食用植物にも様々なガンマプロテオバクテリアが棲みついている。こうした細菌は、種子、果実、樹幹と相利共生の関係にある。人類はそれらを肺に吸い込み、口から摂取し、その中を歩いていた。
冷蔵庫の食物にはいない。加工食品にももちろんいない。ISSは全くいない。都会の集合住宅にもほとんどいない。
P107
私たちが子どもにしてやれることはなんなのだろうか?それは、様々な微生物と触れ合う機会を与え、それによって、必要とされる微生物にさらされる確率を高めてやることだ。
P325
私たちは、生活の中で病原菌を遠ざけながら、生物多様性を取り戻す方法を見つける必要がある。命取りになる病原菌と戦う力を高めるために、生物多様性を取り戻す方法を見つける必要がある。命取りになる病原菌と戦う力を高めるために、生物多様性を取り戻す必要がある。・・・そしてそれは、極めてシンプルなことなのかもしれない。あまりに大きな失敗を犯してきた私たちには、中庸こそが万能薬のように思われる。
P331
ロンドンでコレラが流行した時、ビールを飲んでいた人々の方が、水を飲んでいた人々よりもコレラで死亡する確率が低かった。ビールに含まれるアルコールがビールを、飲んでも安全なものにしてくれたのだ。
P355
パン職人たちの手は、それまでに私たちが見てきたどの手とも全く違っているということだった。パン職人の手指に棲みついている全細菌のうち、平均で25%、最高で80%がラクトバチルス属細菌とその類縁種だった。同様に、パン職人の手指の真菌のほぼ全てが、サッカロマイセス属の真菌のような、サワー種の中に見つかる酵母だった。
外的環境と適度にやり取りがある住まいこそ、生物多様性があり、人間と共生関係にある微生物も増える。外とあまりにも異なる環境を室内に作っては病原菌が繁殖し、わたしたちと争う可能性が高まるのかも。中気密中断熱。呼吸する家を。
発酵は人体に有害な微生物の増殖を抑制する。
調味料、食品をできるだけ手作りすることは家内の微生物環境の多様性を取り戻すきっかけになる。