失われゆく我々の内なる地図
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失われゆく我々の内なる地図 空間認知の隠れた役割
マイケル・ボンド (著), 竹内和世 (翻訳)
出版社 : 白揚社 (2022/4/11)
発売日 : 2022/4/11
単行本 : 361ページ
ISBN-10 : 4826902379
ナビゲーション能力は、長い進化を通して培われた人間の根源的な力
私たちは人類史上初めて、その力を手放そうとしている
そこにはどのような代償が伴うのか――
心理・脳・社会など多彩な論点であぶり出す、空間認知の驚きの真実
ナビゲーション能力は、空間を把握する以外にも、「出来事を記憶し思い出す」「人間関係を理解する」「抽象的な概念を操る」「良好なメンタルヘルスを保つ」「認知症を防ぐ」など、さまざまな働きにかかわっている。
GPSや現代的な生活によって、方向や場所を把握する必要のなくなった今、その力は急速に衰えはじめている。
人間に備わるナビゲーション能力が、人を人たらしめているものだとしたら、それを失うとどうなるのだろうか―― その危機感を柱に、人と場所、心と空間の関係を、心理学、人類学、神経科学、社会学などから探る。
移動が制限されナビゲーション能力をさらに使わなくなっている今、タイムリーな一冊。
:::::::::::::::::::本書の目次:::::::::::::::::::
※弊社HPで第2章の冒頭部分を試し読みいただけます
第1章 最初のウェイファインダーたち
第2章 うろつきまわる権利
第3章 心の中の地図
第4章 考える空間
第5章 A地点からB地点へ、そして戻る
第6章 あなたはあなたの道を行き、私は私の道を行く
第7章 自然を読む
第8章 道に迷うことの心理学
第9章 都市の感覚
第10章 私はここにいるの?
第11章 道の終わり
:::::::::::::::::::本書への賛辞:::::::::::::::::::
ナビゲーション能力についてだけの本だったとしても、本書は間違いなくすばらしい。しかし著者は、遭難者の心理から、認知症と方向感覚の関係まで、心の仕組みについてさらに掘り下げ、空間把握の力が人間の本質とかたく結びついていることを描き出す――そして、それがテクノロジーによっていかに衰えつつあるのかも。
サンデー・タイムズ紙
綿密な調査にもとづき、魅力的な筆致で描かれた本書は、最上の読書体験をもたらしてくれる。
イザベラ・トゥリー『英国貴族、領地を野生に戻す』著者