君は戦略を立てることができるか
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『君は戦略を立てることができるか』
音部大輔・著 宣伝会議
◆目次◆
はじめに
CHAPTER01 「戦略の捉え方」についての30分
CHAPTER02 「戦略のつくり方」についての120分
CHAPTER03 「戦略に関わる6つのポイント」についての60分
CHAPTER04 おまけ 「成長と経験値」についての30分
おわりに
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参考文献
本日ご紹介する一冊は、元ボストンコンサルティング グループ日本代表で、早稲田大学の名誉教授、内田和成さんが絶賛する戦略の教科書。著者は、17年間の日米P&Gを経て、ダノン、ユニリーバ、資生堂などで経験を積んだ音部大輔氏です。本書は、著者が最も頻繁に実施しているという「戦略講座」から4時間の講義部分を書き起こし、書籍化したもの。P&Gのマーケティング部門の若いマーケターたちに共有してきた内容だそうで、マーケターは必読と言えそうです。
「目的と資源こそが戦略を規定する」という本質的な話から、目的と資源に集中することの大切さ、安易なマーケティング施策がなぜ失敗に終わるのか、その理由を説いています。
内容の核となるのは、「戦略策定の6ステップ」で、本文のほとんどは、この6ステップの解説に費やされています。
■戦略策定の6ステップ
1.目的を明示する
2.目的を再解釈する
3.資源を探索する
4.資源優勢を確立する
5.文章に書く
6.組織に展開する
目的をどうやって明確にするか、どう目的を再解釈するか、何を資源として見出すのかが、戦略策定において重要なことがよくわかると思います。
引用
“Thought Starter Question”(考えを始める質問)という思考の道具を使ってみましょう。これは、質問の仕方を変えることで、同じ脳でも異なる答えを導き出せるという考え方に基づいています
なぜ戦略が必要ですか
達成すべき目的があり、資源が有限だから
戦略を変更すべきタイミングは、あくまで「目的と資源」に影響が及ぶ時
競合の変化にただ追随するだけでは、競合対策のつもりが単なる模倣に終わってしまうことになりかねません。場合によっては、競合同士が互いを強く意識しすぎることで、むしろ同化が進み、どちらかが差別化を試みてもすぐに模倣されてしまうことがあります
まずは、自分たちの「目的」と「資源」に集中しましょう
■目的を明確に記述する道具:SMAC
Specific:具体的
Measurable:測定可能
Achievable:論理的に実現可能
Consistent:一貫性がある
「このブランドがある場合とない場合」を考えれば、そのブランドのパーパス(大義や存在理由)が見えてきます
目的明確化の方法(3):いっそ、指示した人に確認してみる
10年間見過ごされていた「ホチキスの針がついていない」という特徴が、電子レンジを使ったロイヤルミルクティーと結びついたことで、競争力の高い資源となり、停滞していた市場に変化をもたらしました。資源というものは、必ずしも資源らしい顔をしているわけではないのです
新たに資源を見出すには、目的を意識することをはじめ、多様な視点を持つことが有益
固有の資源を使って開けられるドアが見つかれば、それは自分専用のドア
「強くなる」ということは「多くの資源を手に入れる」こと
同じ時間内にたくさんのことができる、同じ労力でもアウトプットが多い、同じ情報から解釈できることの幅が広い、同じ年数のビジネス経験から得られる理解が深い。私たちは、こうした人々を「優秀」と認識しているようです。そして共通する要素は、いずれも投下する資源に対して得られる成果が大きい、つまり資源交換の効率が良さそうだということです