リスキリング大全
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『リスキリング大全』清水久三子・著 東洋経済新報社
◆目次◆
リスキリングで新しいキャリアと年収を手に入れる
ーー少し長めの「まえがき」
Chapter1 6人のリスキリング・サクセス体験記
Chapter2 リスキリングで成功する人・失敗する人
Chapter3 準備編 稼ぎにつなげるアプローチを描く
Chapter4 スキルセット変革編 スキルセット変革の進め方
Chapter5 スキルセット変革編 「概念の理解」と「具体の理解」
Chapter6 スキルセット変革編 「体系の理解」と「本質の理解」
Chapter7 マインドセット変革編 マインドの覚醒
Chapter8 マインドセット変革編 有形・無形資産の活用と維持
あとがき つまるところ「学ぶ」とは
本日ご紹介する一冊は、プライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)の企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーを経て独立、創造性と生産性を向上させるプログラムを提供する株式会社&Create(現AND CREATE)を設立した著者による、リスキリング指南書。
最初、リスキリングが求められる社会背景を説明した後、6人のリスキリング・サクセス体験記、リスキリングの準備・計画というゆるっとした構成ですが、Chapter5からが俄然面白くなります。コンテンツを体系化し、お金を稼ぐことがどういうことかわかっている読者なら、Chapter5、Chapter6、とりわけChapter6のテンプレートに、数万円~数十万円の価値があることが理
解できると思います。(これをオリジナルに仕上げられれば、という前提ですが)
ここで紹介されている「店舗運営手順」、「営業戦略会議のステップ」、「進め方や手順を表す『手順のテンプレート』」、位置づけを整理する「位置のテンプレート」、よくなっていく段階を整理する「発展のテンプレート」、階層構造を整理する「階層のテンプレート」、「循環のテンプレート」などは、コンサルタントとして独立したい方なら、ぜひ読んでおくべき内容です。
サラリーマン時代に、こういうフレームワークを理解しながら仕事をしていれば、やがて著者になったり、コンサルタントになったり、知的生産で勝負する人になれるでしょう。Chapter5にまとめられている「学びの取れ高を増やす方法」もよく書けていて、生涯学習をする人は、ぜひ押さえておきたいところです。これまで読んだリスキリング本の中で、ダントツに役立つ内容ですね。
引用
リスキリング施策で目指しているものは2つあります。1つ目は「雇用の維持」、2つ目は「成長分野への人材の移動」です
自分の強みをしっかりと見据えたうえで、それを軸としてリスキリングに取り組む人が成功する
志を軸にしてモチベーションを上げる
自分自身が達成したことや乗り越えた困難を振り返る
自腹を切れないということは自分が将来得られるリターンも認識できていないということ
転身用資産をあらかじめ見積もっておく
稼げるレベルまでのスキル習得
概念の理解:「知っている」
具体の理解:「やったことがある」
体系の理解:「できる」
本質の理解:「教えられる」
学びの取れ高を上げる実践方法
終了後にどういう状態になっているかを決める
「このスキルはこう使おう」という紐付け
研修・セミナーでは必ず質問をする(書籍などである程度知識の土台を構築し、自分なりに仮説を立てておく)
対面研修では講師の視線がくる位置に座る
オンライン研修・セミナーでは積極的に反応する
動画は倍速で視聴する
「具体の理解」を深めるためのやり方
(1)勉強会やコミュニティへの参加
(2)実践型ブートキャンプ研修への参加
(3)実務への関与を通じて人から学ぶ
(4)ラーニング・ジャーナルに記録する
教わるときは「プライドは低く」「志は高く」
さらに学びの取れ高を上げるには、書評を書きます。3行程度の短い書評でもよいのですが、単に「参考になった」「よかった」という曖昧な感想ではなく、自分の行動やアクションにつながる書き方にします
フレームワークのオリジナリティがプロとしての個性になる
「つまり○○とは△△である」と一言で語れること
「Do's and Don'ts(べし・べからず)」を語れること
Chapter7以降が、リスキリングの心構えになっているところも、テンションが上がりますね。知ったかぶりやマウンティングはリスキリングの敵。おっしゃる通りですね。ある程度キャリアを積んだ人に、リスキリングのためのお金の使い方、セミナーの受け方を指南している点も、現実的で良いと思いました。