セレンゲティ・ルール
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生命はいかに調節されるか
ショーン・B・キャロル
2017年:紀伊国屋書店
ISBN:978-4314011471
調節の一般的なルールと生命の倫理(セレンゲティ・ルールも同じ)P99
正の調節:A→B
AはBの増加や活動を促進する
負の調節:A⊥B
AはBの増加や活動を抑制する
二重否定論理:A⊥B⊥C
AはBを抑制し、BはCを抑制する。すなわちAは二重否定を通じてCの増加を促進する。
フィードバック調節:A→B→C⊥A
Cの蓄積によってAが負の調節を受け、BとCの生産が抑制される。
一般的な調節のルールとセレンゲティ・ルール p212
正の調節:A→B
高次の栄養レベルのボトムアップ調節
負の調節:A⊥B
AはBの増加や活動を抑制する捕食者によるトップダウン調節:競合
二重否定論理:A⊥B⊥C
栄養カスケード:AがBを調節することでCに間接的な強い影響を及ぼす。
フィードバック調節:A→→→A⊥A
密度依存調節:個体数が増加するにつれ、成長率は低下する
セレンゲティ・ルール1 P175
キーストーン種の存在:全ての生物種が平等なのではない
個体数やバイオマス(特定の時点、場所における生物の量)とは不釣り合いに大きな影響を、生物コミュニティの安定性、多様性に及ぼす生物種が存在する。キーストーン種の重要性は、食物連鎖における地位にではなく、その影響力の大きさにある。
セレンゲティ・ルール2 p176
栄養力カスケードを介して強力な間接的影響を及ぼす生物種が存在する
食物網のメンバーの中には、不釣合いに強力な(トップダウンの)効果を与える生物種が存在する。この効果は生物コミュニティ全体に波及し、より低い栄養段階を占める生物種に間接的な影響を及ぼす。
セレンゲティ・ルール3 p199
競争:共通の資源を求めてきそうあう生物種が存在する
空間、食物、生息地を求めて競い合う生物種は、他の過剰な生物種を調節することができる。
セレンゲティ・ルール4 p203
身体サイズは調節の様態に影響を及ぼす
動物の身体サイズは、食物網における個体数調節のメカニズムを決定する重要な要因の一つであり、小型の動物は捕食者によってトップダウンの調節を、大型の動物は食物供給によってボトムアップの調節を受ける。
セレンゲティ・ルール5 p207
密度:密度に依存する調節を受ける動物種もある
密度依存要因によって個体数が調節され、群の規模が安定する動物種もある。
セレンゲティ・ルール6 p210
移動は動物の個体数を増加させる
移動は、食物へアクセスする機会を増やし(ボトムアップ調節の緩和)、捕食される機会を減らす(トップダウン調節の緩和)ことで、動物の個体数を増加させる。
セレンゲティ・ルールの活用
ゴンゴローザ(モザンピーク)の再生:グレッグ・カー
一人の意思が地域を変える。吉野さんの活動も同じ。
天然痘の撲滅から学ぶ教訓
連合は強力な手段である
社会的な意思が重要であり、それを政治的意志に変えていく必要がある
解決方法の発見はすぐれた科学に依存するが、その実行には的確なマネジメントが必要とされる
楽観的であれ
目標は世界規模のものでもあり得るが、その実施は常に地域的なものになる
個人の選択がものを言う