クリア・シンキング
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『クリア・シンキング』シェーン・パリッシュ・著 土方奈美・訳 日経BP
◆目次◆
はじめに
序 章 日常のクリア・シンキングが未来を決める
第1部 クリア・シンキングの敵
第2部 強さを磨く
第3部 弱さをコントロールする
第4部 決断する
第5部 本当に大切なものを追い求める
おわりに クリア・シンキングの意義
謝辞
訳者あとがき
原注
本日ご紹介する一冊は、2023年10月にアメリカで出版され、ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーリスト入りを果たした、注目の意思決定本。著者は、起業家であり、普遍的英知を行動に転換することを目指す人気ウェブサイト「Farnam Street」 その知見はフォーチュン500企業のほか、NFL、NBA、MLB、NHLのスポーツチームでもパフォーマンス向上に活用されているようです。ニューヨーク・タイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナルへ寄稿するほか、著者が毎週発行するニュースレタ
ーは全世界で60万人以上が読んでおり、ポッドキャストに至っては世界トップクラスの人気だそうです。
タイトルは『クリア・シンキング』で、その名の通り、リーダーが正しい意思決定をするためにどう頭をクリアにするか、という点を細かく書いています。いかにして生物的本能や「デフォルト反応」を退けるか、どうすれば基準を高くし、未来のために正しい意思決定ができるか、示唆に富んだ考えが示されており、すべてのリーダー必読の書と感じました。逆に言えば、機能不全に陥っている組織の意思決定のまずさの理由がよくわかる内容です。愚かな人間にならないために、厳しい状況でも正しい意思決定ができる人間になるために、ぜひ読んでおきたい一冊です。 引用
世界一すばらしい相手と結婚しても、いてくれるのが当たり前だと思ってしまうとうまくいかなくなる。すばらしい仕事に就けても、一生懸命働かなければチャンスは巡ってこない
クリア・シンキングの敵は、人間の原始的な本能だ
他の人より良いポジションに立てれば、他の人より優秀である必要はない。ポジションが良ければ誰だって天才に見えるし、ポジションが悪ければどれだけ優秀な人でもマヌケに見える。判断力を高める最善の策は、良いポジションで判断できるようにすることだ
デフォルトの種類
1 感情デフォルト反応 根拠や事実よりも感情に反応する
2 エゴデフォルト反応 自尊心あるいは集団の序列で自らの立場を脅かすものに反応する
3 社会性デフォルト反応 所属する大きな社会集団の規範に従おうとする
4 惰性デフォルト反応 習慣化し、安心を求める。変化には抵抗し、なじみのある考えや手順や環境を好む
自信があるからといって、悪い結果が起こる確率が低くなるわけでも、良い結果が出る確率が高くなるわけでもない。単にリスクが見えなくなるだけだ
あなたのデフォルト反応を改善するには、意志の力に頼っていてはダメだ。理想とする行動が、デフォルトとして実行されるような環境を意識的につくることだ
強さとはデフォルトをいったん停止させ、優れた判断をする能力のことだ
自身とは、誰が正しいかではなく何が正しいかに集中する強さ、現実に直面する強さ、過ちを認める強さ、自分の考えを変える強さだ
自らに課す基準、そして「何が可能であるか」の基準を引き上げなければ、何においても卓越した成果を出すことなど不可能だ
意思決定の第一原則は、決定する人が問題を定義しなければならない、ということだ
問題の根本原因を特定する。対症療法で満足してはならない
三つのレンズの原則
(1)比較対象は何か
(2)追加コストは何か
(3)代償は何か