オオカミの護符
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小倉美恵子
新潮文庫2014
哲学者の内山節さんが語る「稼ぎ」と「仕事」の話が脳裏に浮かんだ。百姓を志して山の村に移り住んだ内山さんは、村の暮らしに触れるうちにあることに気づいた。村では労働を「稼ぎ」と「仕事」とに使い分けているということに。「稼ぎ」とは、生活に必要な現金を得るための労働であり、他にもっと良い収入が得られれば、直ちに乗り替えても構わない。それに対し「仕事」とは、世代を越えて暮らしを永続的に繋いで行くためのもの。(P216)
オオカミ(狼)とは山村の人々にとって大神だったのではないか。自然との共生が叫ばれている昨今、それは元々、自然と暮らしに根付いていることだった。生態系のバランスを考え、人間が人間だけで生きていない暮らし。人間は自然の一部であり、様々な他の生き物への尊敬、畏敬(いけいの念を自然と感じ、抱いていたのだ。地域行事、お役はその一部である。こうした行いは絶やさぬよう、手仕事と共に記録・保存していかなければと感じた。千賀さんも「稼ぎ」ではなく「仕事」って畑やりながら口にしてたなぁ。。junkaneko.icon